著者は外務省を免職になったアノ人である。ロシアべったり(と呼んで差し支えなかろう)の鈴木宗男代議士とつるんでる印象が強く、どうも信用できない。が、本書とか読むとまともな理論展開をしているようにも思える。
イスラエルとパレスチナ、どちらの側にも言い分はある。そしてハマスにも、ヒズボラにも、アラブ諸国にも。いったいどこを信用すれば良いのか。著者は国益の面からイスラエル寄りを主張している。アメリカべったりなのも、日米安保に合致する。だが本当にそこだけ見て良いのか?現状まだ中東オイルへの依存度は高い。イスラエルを公然と支援することは、アラブ諸国を敵に回すことにならないか?原油調達に影響は出ないのか?自分は、著者の主張は受け入れられない。とは言え、情報戦のことや絡み合った利害関係など、著者が本書内で述べているさまざまなことは興味深く、また勉強になった。そういう点では、著者の本をさらに読んでみるのはアリかなと思うのだった。
ところで、本書を読み始めたとたんハマスからの猛攻撃でイスラエルとの間は戦闘状態となった。過去に例を見ない規模の攻撃とその応酬で、ここ1年以上は観光渡航が難しそう。来年、パスポートの更新(他国のスタンプがないうち)に合わせたイスラエル旅行の計画はまたも取り止めとなった。せっかく理解を深めてきたのだが、仮にフライトが再開されたとしても老父に心配はかけたくないから止むを得ない。
2023年10月15日 アルバイト帰りの電車にて読了