日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
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【本】熊谷 徹著  「イスラエルがすごい-マネーを呼ぶイノベーション大国-」(新潮新書)

2023-10-03 20:00:00 | 本・映画・展覧会

 イスラエルの財産は人であり、知である。なのでイスラエルの兵器は、攻撃能力もさることながら乗員の保護能力に重きを置かれる。なるほど。そうした軍事国家である一方、軍の情報部門からスピンアウトしたデキる技術者たちが次々とイノベーションを起こし、在軍時代に培った人的ネットワークを通じて世界中に事業を拡大させてゆく。なるほど。

 ミュンヘン(ドイツ)に住む著者による独自の視点は、イスラエルとドイツの関係の深堀りか。問答無用の遺恨相手と思われる両国関係だが、意外にも産業面では交流が深いと言う記述には驚かされた。「それはそれ、これはこれ」と割り切れるものなんですかね。

 イスラエルに関する本を読むたびに「凄いな、だけど」と思う。それはイスラエルの自己正当化が受け入れられないから。凄ければ凄いほど、反発も大きくなる気がする。

 2023年9月13日 JL484便(高松→羽田)機中にて読了

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【本】畑中章宏著  「『日本残酷物語』を読む」(平凡社新書)

2023-10-03 06:00:00 | 本・映画・展覧会

 ショッキングなタイトルに驚くが、「残酷」と言っても、残忍な行為や猟奇的犯罪などを扱ったものではない。だが考えようによっては、そうした行為よりも酷いかもしれないのが、かつての日本の、名もなき人々の生活。農民、漁民、工場労働者、けっきょくはホワイトカラー以外すべてか?そうした市井の人々の暮らしを集めた「日本残酷物語」の解説本。

 本書と「日本残酷物語」のどちらを先に読むか迷った結果、本書を読んでアウトラインを掴んでから大著に手を付ける方が良かろうと判断したのだが、本書を読んだ感想はその通りではないかと思えた。どういう人々が、どういう意図で、どういう段取りで大著をものにしていったかを知ることができる。

 ただし、本書を読んで「日本残酷物語」を理解したと思うのは早計に違いない。前提を理解すれば、大著の理解も深まろう。秋の読書シーズンの課題としたい。

 2023年9月10日 UO642便(香港→高松)機中にて読了

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