イスラエルの財産は人であり、知である。なのでイスラエルの兵器は、攻撃能力もさることながら乗員の保護能力に重きを置かれる。なるほど。そうした軍事国家である一方、軍の情報部門からスピンアウトしたデキる技術者たちが次々とイノベーションを起こし、在軍時代に培った人的ネットワークを通じて世界中に事業を拡大させてゆく。なるほど。
ミュンヘン(ドイツ)に住む著者による独自の視点は、イスラエルとドイツの関係の深堀りか。問答無用の遺恨相手と思われる両国関係だが、意外にも産業面では交流が深いと言う記述には驚かされた。「それはそれ、これはこれ」と割り切れるものなんですかね。
イスラエルに関する本を読むたびに「凄いな、だけど」と思う。それはイスラエルの自己正当化が受け入れられないから。凄ければ凄いほど、反発も大きくなる気がする。
2023年9月13日 JL484便(高松→羽田)機中にて読了