【ぼちぼちクライミング&読書】

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ニュージーランド(1/5)、ペインズフォード編

2011年01月10日 12時29分57秒 | クライミング(海外)

【ニュージーランド・クライミング】(ペインズフォード・ロープクライミング編)
ニュージーランドに行ってきた。
メンバーは例によって、私とハジメちゃんの2人。
さて、今回も珍道中になるのか?

●12/29(水曜)晴れ
14:30関空出発。
フライトはひたすら苦痛&苦行。
(エコノミークラスはつらい、ビジネスクラスに乗る日が来るのだろうか?)


●12/30(木曜)晴れ
オークランド乗り継ぎ、クライストチャーチ到着9:10am。
アメリカだとテロを警戒して電子機器等のチェックが厳しいが、
ニュージーランドは植物や土の付着チェックが厳しい。
入国カードにも、『土が付着したアウトドアスポーツ用品、ハイキング用シューズ、テント』の欄がある。
だから、入国の際、靴の裏とかチェックされるし、テントとか持ってないか、と聞かれる。
(もし「ザックを開けろ」、と言われた場合に備えて、クライミングシューズを一番上に入れておいた)
でも、朝低血圧で気合いが入らないのか、担当官チェックは適当だった。(ヨカッタ)
・・・ロープバック、かなり泥が付いて汚れていたから。(世界中の土が付着している・・・少なくともベトナムと中国の土はついている)

(↑利用したのはニュージーランド航空・・・これが一番便利)

さて、空港にあるハーツレンタカーのカウンターに向かう。
レンタカーは、日本で予約しておいた。
外国で車を借りる際、必要な手続きは決まっている。
①予約確認書(クーポンあるいはバウチャー)
②国際免許証
③日本の免許証
④クレジットカード(これで保証金を取られる)
問題なく手続き完了。
今度は、私が担当者に確認する。
「petrolは何を入れたらよいか?unleadedか?」、と私。
「そうだ、unleadedだ。ガソリンはレギュラーを入れてくれ」、レンタカー担当者。
私がニュージーランド人に合わせてガソリンをpetrolと表現したのに、ガソリンと言い直してくれた。(親切)
さらに私のグリーン色の鞄を指さして、「この色のガソリンがレギュラーだ」、と。
・・・ガソリンスタンド(Petrol Station)では、ディーゼル、ハイオク、レギュラーが色分けされている。
「我々は2人交代で運転するので登録したい」、と私。
「分かった、彼の免許証を見せて、ここに署名してくれ」、と担当者。
・・・この手続き非常に重要である。(日本から私1人分しか手続きできなかった、現地でやってくれ、と)
これをしないと、もし交代で運転して、ハジメちゃんが事故を起こした場合、保険が利かないから。
2人に対して保険適用されるよう手続きする必要がある。
「喫煙はOKか?」、と私。(この質問は絶対に聞いてくれ、とハジメちゃんより要望あり)
「ダメだ、禁煙でお願いします」、と担当者。(がっかりするハジメちゃん)
「地図はありますか?」、と私。
「用意しましょう」、と担当者。
最後に、「これで保険は大丈夫か?」、と念を押す。
「大丈夫だ、また5日後に合いましょう」、と担当者がキーを渡してくれた。
これで、レンタカー手続き完了!
ハーツレンタカーの駐車場エリアの行き方を聞いて、車を見つける。
さぁ、ペインズフォードに向け出発!

本日の行程、距離500km以上、約8時間で峠もいくつか越える。
昨日からほとんど飛行機徹夜状態なので、目も意識も弱っていて心配。
・・・とりあえず順番私から。
車はミッション・コンパクトカー。(これが一番安い)
クラッチを踏んでファースト発進。
右ハンドル左車線で違和感はない。
ただし標識全て横文字・・・これは違和感あり。
郊外に出ると、快適にとばす。
周りは広々として、羊しかいないし。
疲れがでたのか、ハジメちゃん助手席で眠りだす。
あぁ、私も眠りたい。
1時間半ほど頑張ったが、眠い眠い。
約12時間のフライト疲れが出て、目がしょぼしょぼする。
「眠たいから代わってくれ」、と私。
「おぉ、分かった」、とハジメちゃん。
1時間くらい経って、ハジメちゃんが私を起こす。
「たきやん、ちょっと起きてくれ、なんやクライストチャーチに戻ってるで」
「えっ、そんなハズないやろ!?」
しかし、標識を見るとクライストチャーチ23kmとある。
「あちゃー、なんでや、リングワンデリングや」(ここは雪山か?!ホワイトアウトか?!)
どこかで間違ったようだ。とりあえずUターン。
こんどこそ、北を目指す。(どっと疲れたぞ)

(↑途中で海に出た、アザラシもいる)

今日の行程は次のとおり。
Ch-ch-Kaikoura-Blenheim-Picton-Nelson-Takaka
まだ、Kaikouraにさえ着いていないし。
心配するといけないので、遅れる旨、予約している宿泊施設に携帯からtelいれておく。
・・・とまぁ、色々苦労の末、takaka到着したのは12時間後、22:00であった。
宿の名前はNirvana Lodge。(『資料編』で、後ほど詳細記述)
チェックインの手続きをして、3日分宿泊費前払い。
施設利用の説明を受け、部屋に案内してもらい、荷物を置く。
「シャワーでも浴びて、寝よか」、と私。
「今日は疲れたな」、とハジメちゃん。
こうして、初日終了したのであった。

(↑我々の宿泊した
Nirvana Lodge・・・奥さん日本人・関西の方、てきぱきして親切)

●12/31(金曜)晴れ
なぜか、5時半くらいに目が覚める。
日本との時差は普段3時間だけど、サマータイムで夏は4時間タイムラグ。
東南アジアだと2時間くらいなので、即なじむんだけど、4時間時差は微妙にきつい。
(結局、ずっと悩まされ続けた)
今回の日程計画表は下記のとおり。

12/29 関空出発
12/30 9:10 Ch-ch→Paynes Ford-Takaka
12/31 Paynes Ford(クライミング)
1/01 Paynes Ford(クライミング)
1/02 Paynes Ford→Springfield(移動しながら観光)
1/03 Castle Hill(クライミング)
1/04 Castle Hill(クライミング)Springfield→空港
1/05 7:30 関空早朝着

今日は3日目、『クライミング初日』、である。
頑張るぞー!
せっかく早起きしたので、岩場を見に行くことにする。
「ちょっと岩見てくるで」、と私。
「オレは、もうちょっと寝とく」、とハジメちゃん。
takakaの街から岩場のあるPaynes Fordまで車で5分。
ハングドックキャンプ場の近くに駐車する。
朝早いけど、起きたばかりの受付兄ちゃんからトポ購入。
(Paynes FordとCastle Hillの2冊)
その足で、岩場に向かう。
トポと照合しながら9時半くらいまで徘徊する。
印象に残ったのは有名ルート『Rawhide』
目標ルートのひとつとして、日本にいる時からチェックしていた。
でも、実際ルートを見て驚いた。
圧倒的なルーフなのは解っていたが、1ピン目が遠い・・・数メートル上にある。
失敗したら、最低で骨折する。(最高は成仏)
う~ん、トライ中止するか、三ツ星★★★なのに残念・・・。

宿に戻ったら、急に眠くなった。
横になって、次に起きたら11時であった。
「あ~、昼前やんか、出発遅くなった、スマン!」、と私。
「俺は別にええけどな」、とハジメちゃん。
遅くなった朝飯を食べて出発。
今日はGlobe Wallを中心に登る。
印象として、全体に辛い、ムズい。
(ここはビュークスか、ナカガイジムか!、って感じ)
ホールドは小さい、遠い、甘いの三拍子。(1ピン目遠いし)
『24』になると、終了点到着だけでもしんどい。(24=11c/d)
8本ほどトライして、1撃は11前半まで。
(あ~あ、練習励んだ成果がこれか)
まぁ、しかたない・・・これが実力。
晩9時過ぎまで登って、帰ったら10:00pm。
(白夜で9時過ぎまで明るい)

さて、今日は大晦日。(だからと言って、特別なことをする訳でない)
「メシでも食いに行くか」、とハジメちゃん。
「店開いてるかな」、と私。
「どっか開いてるやろ」
ところが全滅・・・かろうじて開いてるのが『フィッシュ&チップス』の店。
「ここにするか?」
とりあえず注文すると、量が多い。
「こんなに食べられへん」
「辛いし、塩かけすぎ」
「病気なるで」
ハジメちゃん半分くらい残した。
(えらく貶したけど、普段マクドナルドで食べ慣れてる方なら感激するかも)
こうしてクライミング初日終了。

(↑ペインズフォードの岩場のアプローチ・・・小さく歩いているのはハジメちゃん)

●1/1(土曜)晴れ
今日は元旦・・・でも初詣じゃなく、岩場に行く。
今日のメインの岩場は
Wall of ThugsFish Wall
特に目標としたのは、『1080 and the Letter G』。
これはLittle Lost Wall右端のガレ場を1ピッチ登ったところがビレイポイント。
なかり高い位置にあり、眺望良好。
ルートは圧倒的なルーフ、どっかぶり。
『1080 and the Letter G』はグレード23だけど、この隣が『Typhoon Tongue』22。
先に『Typhoon Tongue』をトライしてMOS。
ちょっと休憩して『1080 and the Letter G』をMOS。
本日の目標を登れて嬉しい。

さて、この後
Fish Wallに移動して登るがハマりまくり、さっぱりダメ。
こちらは薄かぶりの壁。
スラブやフェースになると、とたんに難しくなる。
例の『遠い、小さい、甘い』の連続パンチでドランク状態。
今日は6本ほどトライして、7:30pmくらいになったので、「これで終わろか」、と。
明日はキャッスルヒルに移動、今日でペインズフォード・ロープクライミングは終了。
でもまだ、白夜で外は明るい。
ちょっと登り足りない気分、そして心に引っ掛かるものがある。
初日偵察して、1ピン目見ただけで、怖れをなしたルートを再度見てみたい。
「ちょっと離れてるけど、『Rawhide』を見に行ってええか?」、と私。
「ああ、ええで」、とハジメちゃん。
20分ほど移動して、『Rawhide』に到着。
圧倒的なルーフで、1ピン目が地上数メートル上のリップ30cm上にある。
(失敗したら間違いなく病院やろな・・・)
しばし考える。
でも、何となくロープを出して、準備を始める。
フェースは辛いけど、どっかぶりルートはグレードどおりのハズ、と勝算を意識する。
グレードは22=11a/bである。
「もし落ちても頭だけカバーしてや」、と私。
よし、だんだん気合いが入ってきた。
こうして(大げさに書いたが)無事MOS、大変嬉しい。
これにて、ペインズフォードでのクライミング終了。

結局宿泊施設に帰ったら10:30pmであった。
「遅いから心配してましたよ」、とスタッフの方。
実は今日の昼、この方に『クライミング講習』を行った。
我々が宿泊している施設で働いている日本人の方である。
その方が「クライミングを体験したい」、と頼んできたのだ。
私は(様々な思いが交錯して)躊躇し黙っていると、ハジメちゃんが「ええで」、と了解する。
(さすがハジメちゃん、懐が深い)
ハジメちゃんがOKなら、私も了解である。
その代わり・・・と、交換条件を出す。(ここが私のセコいところ)
「教えるから、晩飯を作ってくれ」、と私。
「いいですよ」と快諾。
これで、取引成立である。
おかげで、今晩は御飯と肉じゃが。(うまかった)
明日は観光と移動。
さて、寝るとするか。
(つづく・・・次回は『移動の巻』から)