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「美童物語(みやらびものがたり)」(2)比嘉慂
シリーズ2作目。
1作目と同じく、戦時下の沖縄が舞台。
カマルが登場するが、周囲の人々にもスポットがあたる。
短編4編が収録されていて、いずれも味わい深い。
糸満売り―姉の章―
糸満売り―母の章―
ユタ
世を捨てよ
「糸満売り」
ヤンバルから糸満に身売りされた少女・キヨがメインに描かれる。
糸満から那覇まで魚を売りに来たキヨがカマルと出会う。
読み書きの出来ないキヨは、カマルにヤンバルの母への手紙を頼む。
「ユタ」
クラスメートの玉栄が将来ユタになりたい、と言う。
戦時下当時、ユタは迷信を広め、人心を惑わす、と言われた。P103
玉栄はユタになれるだろうか?
「世を捨てよ」
戦死した兵士の家に奉仕活動に来たカマルと美佐子。
その家のタツ子と仲よくなる。
一見、元気そうに見えるタツ子の母だが、タツ子から悩みを聞くことになる・・・。
1作目に劣らず、すばらしい内容であった。
これほどの作品はめったにない。
すべての図書館に常備して、広く読まれて欲しい。
ホント、そう思う。
【ネット上の紹介】
第1巻に続き、ノロ(女性司祭者)の家の娘・カマルの成長とともに描かれる戦時下の沖縄を生きた人々のドラマ。身売りされ行商となった少女・キヨの自立までを描く 『糸満売り(イチマンウィ)』母の章&姉の章ほか読み切り4編を収録。