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「士道の値~伊庭八郎幕末異聞」秋山香乃

2013年04月17日 22時36分43秒 | 読書(小説/日本)

「士道の値~伊庭八郎幕末異聞」秋山香乃

シリーズ2作目。
17歳の頃の伊庭八郎が描かれている。
辻斬り事件が頻発する。
その太刀筋から心形刀流の遣い手が疑われる。
いったい誰なのか?
門弟の1人なのか?

江戸時代の検死事情が書かれているのが興味深い。
現代からは考えられないようなずさんな状態。
土左衛門、即ち水死体が見つかると、竿で突いて流してしまうという。

P196
江戸は水の町と言われるほど水路が多いが、そこに落ちた死体はよほどのことがなければ引き揚げられない。
竿で一、二回つついて流れていけば、不問にしていいことになっていた。
そのまま流して、なかったことにするのである。
面倒だから、たいてい何度かつついて流してしまう。

【ネット上の紹介】
江戸の町を震撼させる連続辻斬り事件が起きた。下手人はその太刀筋から心形刀流の遣い手と思われる。伊庭道場の若き天才剣士・伊庭八郎は事件の探索に乗り出した。そんな折、二年前に吉原の禿だった娘と再会する。美しく成長したサダに八郎の心は激しく揺れる。気鋭の女性作家の書き下ろしシリーズ第二弾。