【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

「隠れ簔~剣客商売」(7)池波正太郎

2016年07月04日 21時12分07秒 | 読書(歴史/時代)


「隠れ簔~剣客商売」(7)池波正太郎

7巻目を読んだ。

P105
「弥七。人の世の中は、みんな、勘ちがいで成り立っているものじゃよ」
 と、いった。
「大先生。まさか……?」
「お前ほどの御用聞きが、そのことに気づかぬのはいけないよ。いいかえ弥七。それほどに、人が人のこころを読むことはむずかしいのじゃ。ましてや、この天地の摂理(うごき)を見きわめることなぞ、なまなかの人間にはできぬことよ。なれど、できぬながらも、人とはそうしたものじゃと、いつも、わがこころをつつしんでいるだけでも、世の中はましになるものさ」

【ネット上の紹介】
盲目の武士をやさしくいたわる托鉢僧―旅の途中で出会った、年老いた二人連れが何故か秋山大治郎の心に残った。江戸に帰った大治郎は、偶然試し斬りされかかった件の老僧を助け、二人が二十八年におよぶ仇討ちの敵同士であることを知る。人知をこえたその絆の不思議さを描く「隠れ蓑」。小兵衛が小金持ちの隠居と見られて盗賊に狙われる「徳どん、逃げろ」など、シリーズ第7弾。