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「十番斬り~剣客商売」(12)池波正太郎

2016年07月10日 09時23分27秒 | 読書(歴史/時代)


「十番斬り~剣客商売」(12)池波正太郎

P268-269
 当時は、徳川将軍の威風の下に、」諸大名がそれぞれの領国を治めていた[封建」の時代であった。
 ために、A国の殺人犯がB国の領内へ逃げ込んでしまうと、A国を治める大名が人数をさしむけて、これを追うことができなくなる。
 せまい日本の中には、無数の国境が存在していたからだ。
[国境」を侵すことが、どのようなものかは、現代の世界諸国を想いみれば、たちどころにわかるであろう。
「殺害された者の肉親が犯人を追って行き、死者の敵を討つ」
 ことが、武家社会の、不文律の制度として容認されたのである。