【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

「負の方程式」宮部みゆき

2016年07月24日 10時08分34秒 | 読書(小説/日本)

新潮文庫<br> ソロモンの偽証〈第3部〉法廷〈下〉 
「負の方程式」宮部みゆき

以前、「ソロモンの偽証」を紹介した。→「ソロモンの偽証」宮部みゆき
文庫版「ソロモンの偽証」第3部〔下巻〕に「負の方程式」が収録されている。
20年後の“偽証”事件を描く、書き下ろし中編である。

本作品は、映画化された。
さらに、今年5月20日に「前篇」、27日に「後篇」が、TV放映された。
それを録画しておいて、つい先日観た。
思った以上に、よく出来ていて感心した。
その時、少し調べて、本作「負の方程式」があることを知った。
藤野涼子の20年後の姿が描かれる。
しかも、別シリーズの杉村三郎が登場する。
これを読まずにいられるだろうか?

P641
最初から反りが合わず、嫌い合っている関係より、一度は親しい時期があってから離反した場合の方が、感情の振幅が大きい分だけ、相手を害してやろうという負のエネルギーも強くなるのではないか。

P574
負の方程式だと、私は思った。教師と生徒、教える側と教わる側、導く側と導かれる側、圧する側と圧される側の組み合わせが間違っていて、だからどんな数字を入れたところで、マイナスの数字ばかりが出てくる。