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「波紋~剣客商売」(13)池波正太郎

2016年07月11日 20時20分49秒 | 読書(歴史/時代)


「波紋~剣客商売」(13)池波正太郎

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 剣術の道場の主だからといって、威張って門人たちを教えているだけではすまない。
 天下の名声を得ている剣客ならともかく、中小の道場主は、道場の経営にも神経をつかわねばならぬ。
 いわゆる、秋山小兵衛がいうところの、
「剣客商売……」
 と、いうわけだ。
 それでいて、絶えず、おのれの剣と人格を磨きつづけ、剣客としての充実をこころがけてゆかぬと、結局は、
「いてもいなくても同じような……」
 剣客に……いや、人間になってしまいかねないのである。