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「猫の傀儡」西條奈加

2021年07月15日 07時39分01秒 | 読書(歴史/時代)


「猫の傀儡」西條奈加

大江戸「猫」捕物帖。
時代小説+猫が主人公。
人間を傀儡として操り、猫が犯罪捜査をする・・・画期的な時代小説だ。

P8
オレはミスジ。二歳のオス猫だ。
人を遣い、人を操り、猫のために働かせる。それが傀儡師だ。

P11
「(前略)江戸の猫の尾は、総じて長いんだとよ。西へ行くほど短くなるそうだぜ。面白いと思わねえか?」

P155
「吹き矢は含み針と同じたぐいで、流派によっては武芸十八般にも入るそうです。十八般は、もとは唐から渡ったもので、今昔や流派によっては中身はさまざまなんでさ。十八を超えることも多いとききやした」

【ネット上の紹介】
猫町に暮らす野良猫のミスジは、憧れていた順松の後を継いで傀儡師となった。さっそく、履物屋の飼い猫・キジから、花盗人の疑いを晴らしてほしいと訴えられる。銅物屋の隠居が丹精していた朝顔の鉢がいくつも割られるという事件が起こり、たまたま通りがかったためにその犯人扱いをされているという。人が絡んでいるとなれば、人を絡めないと始末のしようがない。ミスジは傀儡である狂言作者の阿次郎を連れ出すことにした―。当代屈指の実力派が猫愛もたっぷりに描く、傑作時代“猫”ミステリー!!