「悪魔のような花婿(あなた)~魔女たちの仮面舞踏会」松田志乃ぶ
シリーズ最新刊。
いよいよ全面対決か、と思いきや、その前の小競り合い。
ますます盛りあがってきた。
次回はどうなるのだろう?
競技の内容は?
それにしても、著者は競技好き。
「嘘つきは姫君の始まり」の「恋する後宮」でも『平安文系バトル』が繰り広げられた。
「夢見るころを過ぎても」では『香合わせ』対決もあった。
洋モノシリーズだと、どんな対決になるのだろう?
次作が待ち遠しい。
いくつか文章を紹介する。
P85
エドワード王子とキャサリン王女が父のために花摘みをするシーン。
「(前略)――ララー、一つ摘んでは父のためー」
「二つ摘んでは母のため-」
う~ん、このシーンには笑った。
これって「賽の河原地蔵和讃」のパロディだから。
P194
レディ・エリノアのセリフ
「(前略)わたしは愛を感じたことはないけれど、愛の存在を主張する人々が全員揃って嘘を言っているとも思わないから。幽霊のようなものね。ある人は確かに見たと言い、ある人はそんなものはただの幻だと言う・・・・・・。(後略)」
P204
ジュリエットの性格を的確に表現しているセリフ
「でも、あの、生意気なことを申すようですけど、わたしにとって、愛の存在を疑うことは自分を疑うことと同じように思われます、王妃さま。両手をながめて、これは本当に自分の手なのかと考えるような・・・・・・わたしは家族から惜しみない愛情を与えられて育ちましたし、それは確かにわたしの一部になっていると感じますの。愛など幻だと否定したら、それを一部としているこのわたしも幻ということになってしまう気がします」
【ネット上の紹介】
いざ、王妃と全面対決…! 美しさと特技で、宮廷中の話題を独占するバジル伯爵家一行。その人気と存在感が高まるが、一方、王妃は西州への増税を押し通そうとする。反発するウイリアムたちに、王妃はゲームを仕掛けてきて…!?