「なんで家族を続けるの?」内田也哉子/中野信子
「家族」をテーマにした対談。
内田也哉子さんは樹木希林さんと内田裕也さんの娘。
19歳で本木雅弘さんと結婚。
早生まれなので、中野信子さんと同学年。
P26
「人間だけが同性愛をするかというと、そんなこともなくて、例えばアホウドリのカップルって、3分の1はレズビアンなんです。」
「どうやって子孫を残しているんですか?」
「と思うでしょ。そのときだけオスと浮気するんですって。」
P54
お父さんから受け継ぐ部分と、お母さんから主に受け継ぐ部分というのは、遺伝的に偏りがあるんですよ。知性はお母さん。(中略)
内蔵などの、他の身体の部分はお父さん。(中略)
情動の部分もそうかもしれない。情動脳の部分はオス側の遺伝子が発現しているらしいので。
P61
広く浅くタイプのAVPRは、男性が持っている場合は「離婚遺伝子」といわれ、女性が持っている場合は「不倫遺伝子」といわれます。(中略)
つまり、「貞淑」になる遺伝子と、「不倫」を好む遺伝子がある。(中略)
しかし実は、貞淑型と不倫型の人数の割合はおおむね5対5と推測されています。ということは、もともと一夫一婦制の結婚には向いていないタイプが人口の半数ほどいるということなんですよ。
P100
私、惰性というのは大事だと思っているの。「惰性で続いている」というのは収まるべきところに収まった、という意味でしょう。
P102
欧米の離婚率は日本より低いのかといったら、高いんだよね。ハグやキスといったスキンシップを大事にしていても破局を迎えるのだから、あまり意味がないんじゃないかと言いたい。(でも、ハグの瞬間は幸福感を得られる・・・それなりにメリットはあると思える。日々の生活は小さな事の積み重ねだから)
P120
SARSもMERSも、コロナウイルスの一種です。私は対処がきちんとできさえすれば、必要以上に怖がることはないという意見です。とはいえ重症化しそうだ、となったらすみやかに救急医療をうけることができる体制づくりは急がれますよね。
P128
人間は身体と脳の発達のバランスもあまりよくないですよね。身体が生殖に向いているのは二十代かもしれないけれど、脳が子育てに適した状態になるのは四十代ぐらいだということを示すデータがあります。
P130
愛は、環境が整わないうちは人類にとって子育てに有益なものだったけれど、人類は環境をかなり整えて、テクノロジーも発達させた。現代はもう、愛が毒になる時代が到来しつつある、と考えているんです。(中略)
べつに産むな、育てるなと言っているわけではないんですが。向いている人もいれば向いていない人もいるのだから、無理して愛をこじらせ、親子共に苦しむくらいだったらテクノロジーを利用したらいいのでは、と言いたいんです。
【ネット上の紹介】
樹木希林と内田裕也の娘として生まれ、家族団欒を知らずに育った内田也哉子。自身は十九歳で結婚、三児の母として家族を最優先に生きてきた。一方、中野信子は巨大なブラックホールを抱えてきた。その原点は両親の不和の記憶だった。家族に苦しむすべての人に贈る、経験的家族論!
プロローグ 家族のカタチ
はじめに 晒された家族
第1章 What is Family!?
第2章 毒親、不倫。そして私たちの結婚
番外編 中野信子の人生相談に内田也哉子がお悩みを投稿
第3章 出産、子育ては女が担うものなの?
第4章 女をやめたくなったことある?
第5章 イエ制度と夫婦別姓とドラッグと
第6章 What is Happiness?
おわりに 脳科学から見た家族