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「家族終了」酒井順子

2021年02月01日 08時21分50秒 | 読書(家族)

「家族終了」酒井順子

著者は、もともと五人家族だった。
最初に、祖母が亡くなり、父、母と、最後に兄が亡くなった。
こうして「家族終了」、となったのだ。
本書は、個人的な話だけでなく、「家族」について、様々な考察をしている。
言葉の使い方、コンビネーションが巧い。

「死」の可能性が迫ってきた状況における親への愛情表現
P20
「愛してる」というフレーズは、かろうじて私の語彙の引き出しには入っているものの、それはものすごく奥の方に死蔵されているだけ。いざという時にすぐ出てくる場所にスタンバイしておらず、精一杯頑張ってもやはり、
「今までありがとう!」
だったと思います。

P140
今となっては、夫が権力を握るよりも、妻主導家庭の方が、よっぽど平和であることも知られており、「かかあ天下」は死語と化したのです。(それでも、恐妻家、鬼嫁、という言葉は残っている)

仏壇について
P149
「アマゾンで買ったよ、五万円」
(そういえば、駅前の仏壇屋がつぶれた)

P192
1人暮らしのお年寄りよりも、家族と共に住むお年寄りの方が、自殺率が高いのだそうです。

P200
1人で生きることが「普通」である世においては、1人で死ぬこともまた「普通」になっていくのではないか。

P221
フランスのPACS(民事連帯契約)など、同性・異性に限らず共同生活を送る人が夫婦と同様の権利を得られるような制度が、ヨーロッパ諸国には存在しています。(日本も法制度を改正していったら、少子化に歯止めがかかるかもね)

P222
日本の夫婦は、苗字が同じになった瞬間から、一体感を深める努力を放棄する傾向があります。(夫婦は不断の努力が必要・・・余計なおせわだけどね)

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【ネット上の紹介】
親が好きですか?子供が好きですか?夫婦で同じお墓に入りたいですか?帰りたい家はありますか?一緒に暮らしたいのは誰ですか?毒親からの超克・「一人」という家族形態・事実婚ってなあに?…他、日本の“家族”を考える全18章。
【目次】
パパ、愛してる
我が家の火宅事情
「嫁」というトランスフォーマー
自分の中の祖母成分
生き残るための家事能力
家庭科で教えるべきことは?
心配されたくて
修行としての家族旅行
呼び名は体をあらわす
長男の役割
お盆に集う意味
親の仕事、子供の仕事
世襲の妙味
毒親からの超克
「一人」という家族形態
疑似でも家族
事実婚ってなあに?
新しい家族

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