「妻が得する熟年離婚」荘司雅彦
離婚の際に直面する問題を小説形式で解説。
P30
離婚原因となる不貞行為は、基本的には反復・継続していることが必要で、それがために夫婦関係にひびが入る程度のものであることが必要とされている。だから、風俗に行ったり、酔った勢いで一度の過ちを犯してしまったような場合は、離婚原因としての不貞行為にはならない。
P38
アメリカ合衆国では、「セックスの切れ目が縁の切れ目」と言われて久しいので、我が国でも何年間もセックスレスが続くというのは立派な離婚原因といえるだろう。
P57
別居する前に、必要なものは事前にひそかに運び出しておくことが案外重要。喧嘩した勢いで家を出てくる人が多いが、冷静になって必要なものは事前に持って出ること。
P106
婚姻関係が破綻した後に行った不貞行為の場合は、いずれに対しても慰謝料は認められないとするのが判例だ。その理由としては、慰謝料を認める根拠は、不貞行為によって家庭の平和を害されたことによるものであり、既に夫婦関係が破綻して家庭の平和というものが存在しないような場合には、慰謝料を認める必要がないからだとされている。
【ネット上の紹介】
年金分割、退職金問題、調停・裁判の進め方、財産分与の貢献度、離婚後の身の振り方、などなど。離婚において女性が直面するであろう様々な問題の対処方法を、経験豊富な弁護士の著者が小説形式を用いながら分かりやすく解説。
第1話 青山みどり 58歳 専業主婦が自立するとき(年金分割
退職金
介護問題
調停の進め方)
第2話 細川百合子 60歳 35年間の妻の貢献度(財産分与の貢献度
破錠後の不倫
裁判手続き)
第3話 井上純子 56歳 離婚宣告は、ある日突然に(将来の退職金
不動産の原価)
第4話 米山京子 59歳 借金を残し、夫が消えた(夫の負債
不在者との離婚
リバース・モゲージ)
第5話 山本君枝 56歳 とにもかくにも財産探し(不明財産の見つけ方)