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「引き抜き屋」雫井脩介

2020年05月06日 06時58分35秒 | 読書(小説/日本)
①「引き抜き屋 鹿子小穂の冒険」雫井脩介
②「引き抜き屋 鹿子小穂の帰還」雫井脩介

読み返し。
近年これほど楽しい気分で、わくわくしながら読んだ小説はない。
最初図書館で借りて、あまりに面白かったので、文庫化されたときに購入しておいた作品。新米ヘッドハンターの活躍を描くお仕事小説で、終盤はM&Aを描く企業小説の様を呈する。

①P156
ヘッドハンティングは、その業界ではエグゼクティブサーチとも言われ、ヘッドハンティング会社はサーチファームという名で呼ばれている。ヘッドハンターはコンサルタントという肩書きが付くのが一般的だ。

【感想】
登場人物それぞれに個性的で魅力がある。
特に、ヒロインの情に厚く、時に、とぼけた感じがいい。
最初、新米らしく「ひよっこ」感満載だったけど、章をおって成長していく。
各章によって、ビジネス内容が変わり、業界の内実も知れて興味深い。
構成も緻密で、①の出だしと②の最期で、つじつまが合うようになっている。(驚く)

【おまけ】
以前も書いたが、杉田敏先生が、「ヘッドハンターの名刺はどうなってるんでしょうねえ・・・『ヘッドハンター』とは書かれてないと思います(笑)」、と言われていたのを思い出す。
本書は①②同時出版され、その後、③は出ていない。シリーズ化されることを切に願う。(著者は、「犯人に告ぐ」シリーズが有名だけど、私はこちらの方が好みだ)

【参考リンク】
「引き抜き屋 鹿子小穂の冒険」(1)雫井脩介
「引き抜き屋 鹿子小穂の帰還」(2)雫井脩介

【ネット上の紹介】
父が創業した会社で若くして役員となった鹿子小穂は、父がヘッドハンターを介して招聘した大槻によって会社を追い出されてしまう。そんな小穂を拾ったのは、奇しくもヘッドハンティング会社だった。新米ヘッドハンター・小穂は、一流の経営者らに接触するなかで、仕事や経営とは何か、そして人情の機微を学んでいく―。緊迫感溢れるミステリーで人気の著者が新境地に挑んだ、予測不能&感涙のビジネス小説。
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