「逢坂の六人」周防柳
前作「八月の青い蝶」が面白かったので、本作を読んでみた。
やはり面白かった。
前作でも「才能ある人だなあ」と感じたが、思い違いではなかった。
すばらしい実力である。
紀貫之と六歌仙と称される人々を描いている。
授業で習った人たち・・・在原業平、小野小町がいきいきと表現される。
6人それぞれがキャラ立ちしているのが素晴らしい。
前作「八月の青い蝶」ほど一般ウケしないかもしれないが、
私には大いにウケた。
P19-21
「古今和歌集」編纂が政治的な意図と無関係ではない、と。
まさか、菅原道真の左遷と絡んでいるとは思わなかった。
【豆知識】
小野小町は秋田出身とも言われている。
お米の「あきたこまち」は、小野小町に由来する。
また、小野妹子は先祖のひとり。
【誤植】
誤植を見つけた。
P199
「旧交ふたたび、というわけでこざる」
↓
「旧交ふたたび、というわけでござる」
前作・・・「八月の青い蝶」
【ネット上の紹介】
史上初のやまと歌の勅撰集、『古今和歌集』成立をめぐる物語。 紀貫之の忘れ得ぬ体験を描いた、小説すばる新人賞受賞第一作。 みかどの命により、紀友則、壬生忠岑、凡河内躬恒とともに、初の勅撰和歌集の撰 者となった紀貫之。 のちに『土佐日記』を著したことでも知られる才人・貫之は、この勅撰和歌集の編 纂に心血を注ぎ、 序文「仮名序」を執筆する。そこには「近き世にその名きこえたる人」として、六 人の歌人の名が記されていた。 後世に六歌仙と称される、在原業平、小野小町、大友黒主、文屋康秀、僧正遍 照、喜撰法師である。 この個性的な歌人たちと紀貫之との交流を鮮やかに描いた書き下ろし長編小説。 <プロフィール> 周防 柳(すおう やなぎ) 1964年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、編集者・ライターに。 『八月の青い蝶』(「翅と虫ピン」改題)で第26回小説すばる新人賞を受賞してデ ビュー。本書が二冊目の単行本となる。