「これは経費で落ちません」(7)青木祐子
シリーズ最新刊、7巻目。
P33
「(前略)――結婚、出産することは会社への迷惑、わたしの悪いところであるということですか」
(中略)
仕事とは幸せになるためにするもので、幸せを阻害するものではないはずでる。誰にでもある人生の転機を迷惑と責められるのなら、真面目に働くのがバカバカしくなる。
P63
会社とは労働分の報酬を引き出すATMであって、私生活に入ってこられたら迷惑なのだ――
P105
自分がいないとまわらないと思っているのは本人だけだ。
P160
美しい女性だと思った。憎しみと優しさが混在して、不思議な迫力がある。愛した男との別れを決意すると、女性はこういう顔になるのか。
鎌本の結婚観
P183
「森若は出世しそうだし貯金ありそうだろ。土下座して頼んできたら結婚してやらんでもない。ただし仕事を辞めることは許さない。給料は俺が没収で、金の管理は俺の母親。家事育児は全部やること。夕食のおかずは三品以上。そうでもなきゃ結婚に男のメリットないだろ」(さすが嫌われキャラ屈指の鎌本である。どこから突っ込んでいいのか分からないぐらいの発言。現実にもいそうな男性だ・・・この物語と関係ないが、理系男子は金銭を管理したがる傾向にあるように思う)
【感想】
毎回、真夕ちゃん視点のエピソードが、エピローグとして語られる。
これがけっこう楽しみだ。
私の中でも、全登場人物中、好感度は高い。
【ネット上の紹介】
会社合併を控え、異例の若さでの主任昇進を打診された沙名子の悩みはつきない。給料は大して増えないのに、責任が増えると思うと憂鬱になる。女性活用を推進したい会社の方針で、優秀だからではなく女性だからという理由の昇進なのだろう。結婚や出産することは会社に迷惑をかけることになるのか。合併予定の会社のひとつ、トナカイ化粧品でほぼひとりで経理を担ってきた槙野という童顔の男と経理システムについての調整作業をする中で、彼のつけている腕時計がトナカイ化粧品の給料からするとずいぶん高級な物だと気づいた沙名子は、詮索してしまう自分を戒めるが……?同期入社の入浴剤開発者・鏡美月の結婚式も行われ、沙名子と太陽の関係にも重大な変化が!?大人気シリーズ第7巻!