北方領土返還交渉のさなか、プーチンが安倍総理にこう言いました。「そこにアメリカ軍基地をつくらせないと言うけれど、沖縄で新基地反対があれだけ叫ばれているというのに、政府与党はそれを無視しているじゃないか」と。
P46
直接選挙の結果、アメリカではトランプ大統領が生まれた。あるいは、世論に賛否を問うことにした結果、イギリスのEU離脱が決まってしまった。
P46
直接選挙の結果、アメリカではトランプ大統領が生まれた。あるいは、世論に賛否を問うことにした結果、イギリスのEU離脱が決まってしまった。
P133
池上:9.11のあと、ブッシュ大統領はあろうことか、テロとの戦いについて「十字軍の戦いだ」と言ったんです。側近たちはさすがに泡を食って訂正させたのだけれど、もうそれを聞いたアルカイダは大喜びですよ。かつてキリスト教社会が、平和だったイスラム教世界に突然攻め込んだのが十字軍でしたからね。
P141
半藤:いま国防予算は5、6兆円ですよね。(中略)
もし仮に日米安保を破棄して日本が自主防衛するために独自の国防力をもつとなったら、どのぐらい金がかかると思います?防衛大学校の教授二人がその場合のシミュレーションをやった。それによると23兆円もの金がかかるんだそうですよ。これは核兵器をもたない場合の予算です。いわんや核兵器なんかをもつなんて言ったらとんでもないことになる。核兵器をもつとなると、核拡散防止条約から外されて、たちまち経済封鎖。経済封鎖を食らったら日本の国はもうお手上げです。
【ネット上の紹介】
平成元年、ベルリンの壁とともに世界秩序も崩壊したことに気づかず、バブルに浮かれていた日本人。バブル崩壊後も、相次ぐ大災害と長きデフレにより、目先の生活を守ることに追われて、志向はさらに内向きに。そして日本は、理念を持たない「戦争ができる国」となり、「デマと差別が溢れる国」となった。その姿は、国際社会から取り残され、無謀な戦争に突き進んだ戦前の日本とあまりに重なる。過たずに済む分岐点はどこだったのか。昭和史研究の泰斗と現代を代表するジャーナリストが、平成の失敗を徹底的に検証した白熱対談。
第1章 劣化した政治、最初の岐路
第2章 災害で失われたもの、もたらされたもの
第3章 原子力政策の大いなる失敗
第4章 ネット社会に兆す全体主義
第5章 誰がカルトを暴発させたのか
第6章 「戦争がない時代」ではなかった
第7章 日本経済、失われつづけた三〇年
第8章 平成から令和へ―日本人に天皇制は必要か
第2章 災害で失われたもの、もたらされたもの
第3章 原子力政策の大いなる失敗
第4章 ネット社会に兆す全体主義
第5章 誰がカルトを暴発させたのか
第6章 「戦争がない時代」ではなかった
第7章 日本経済、失われつづけた三〇年
第8章 平成から令和へ―日本人に天皇制は必要か