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「あまねく神竜住まう国」荻原規子

2015年02月17日 21時32分51秒 | 読書(小説/日本)


「あまねく神竜住まう国」荻原規子

発売日を楽しみにしていた作品。
日曜は出かけずに、読書に集中した。
えこひいきと言われても、本作品が本年度ベスト1。

『風神秘抄』を読んでいたら、より楽しめるが、
独立した作品としても、充分面白い。
15歳の少年・頼朝が主人公。
これを助けるのが、『風神秘抄』の草十郎と糸世だ。
他の作家と一線を画する充実度、面白さである。

【蛇足】
荻原作品は全て読んでいる・・・と言いたいが、
「紫の結び」の3冊は読んでいない。(購入したが、置いたまま)
「源氏物語」のリメイクだから。
これが「枕草子」なら、すぐに読むけれど。
どうも、紫式部が好きになれないし、光源氏も好感度が低い。
さらに言うと、歴史上の人物として、頼朝も好きになれない。
荻原規子作品は、登場する女性キャラクターの好感度は高いが、
男性キャラは、『RDG』の深行君もそうだけど、(私にとって)好感度低い。 
(少ない例外が、草十郎、真夏か?・・・本作品を読んで、頼朝のイメージも少し良くなったけど)

荻原作品は、おおむね、男性キャラより、女性キャラの方が、はるかに魅力的に感じる。
『RDG』は、泉水子のキャラクターが『アラベスク』の“ノンナ”なので、
相方がミロノフ先生か、『のだめ』の俺様・千秋タイプにならざるを得ない。
それでも、『西の善き魔女』のルーン、『樹上のゆりかご』の江藤君を考えると、
男性キャラは女性キャラのそれに、はるかに及ばない、と思ってしまう。

【参考リンク】
伊豆山神社 公式ウェブサイト

風神秘抄 角川文庫<br> RDG〈6〉レッドデータガール 星降る夜に願うこと 
西の善き魔女〈2〉戦いの巻 樹上のゆりかご

【ネット上の紹介】
伊豆の地に独り流された頼朝は、まだ10代前半の少年だった。地元の豪族にうとまれ、命を狙われる日々に、生きる希望も失いがちな頼朝のもとへ、ある日、意外な客が訪れる…かつて頼朝の命を不思議な方法でつなぎとめた笛の名手・草十郎と妻の舞姫糸世の運命もまた、この地に引き寄せられていたのだった。土地神である地底の竜と闘い、伊豆の地に根を下ろしていく少年頼朝の姿を描く、荻原規子の待望の新作。徳間書店の子どもの本・20周年記念作品。