原題:『Dead in a Week (Or Your Money Back) 』
監督:トム・エドモンズ
脚本:トム・エドモンズ
撮影:リューク・ブライアント
出演:トム・ウィルキンソン/アナイリン・バーナード/フレイヤ・メーバー/マリオン・ベイリー
2018年/イギリス
死を通して見る生き様について
小説を書くもなかなか売れないことから絶望して橋から海に飛び込んで自殺しようと試みている主人公のウィリアムに声をかけてきたのは英国暗殺者組合のベテラン会員のレスリーだったのだが、だからといってレスリーとてすっかり腕が落ちてしまい今月のノルマをクリアできるかどうかギリギリのところで葛藤している。
自殺を何度も試みたが死ねずにいたウィリアムはお金を払って一週間内にレスリーに殺してもらう契約を交わすのだが、そんな時に限ってウィリアムが書いた小説を気に入った編集者のエリーと出会ってしまい、自身の暗殺計画を破棄してもらおうとするのだが、レスリーにとってはこの契約は暗殺者の仕事を続けられるかどうかがかかっており、簡単に止めるわけにはいかないのである。
そこに英国暗殺者組合の若手会員のアイヴァンが老いぼれたレスリー暗殺に関わってきて、話がややこしくなり、アイヴァンを犠牲にすることでウィリアムとレスリーの利害が一致したのだが、納得しないのが英国暗殺者組合の組合長であるハーヴェイである。
本作の面白さというのは契約を巡るドタバタ劇というよりも、老いたレスリーがなりふり構わず生きることに固執することに対して、若いウィリアムが黒人の子供を交通事故から救う代わりに亡くなることに恍惚を感じている皮肉にあると思う。