青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

地鉄、心のままに

2016年08月11日 10時00分00秒 | 富山地方鉄道

(小さな待合室@栃屋駅)

黄緑のトタン板で作られている、栃屋駅の小さな待合室。駅裏にある古い農家の小屋とマッチして、ローカル私鉄らしい物語の始まりそうな駅だ。うーん、栃屋駅。いい、いいぞー。と孤独のグルメの松重豊のように、心の声で再生してみる(笑)。時間や社会にとらわれず、誰にも邪魔されず、ローカル私鉄を心のままに堪能するこんな時間が、現代社会においての最高の癒しであったりする人も、世の中にはいます。


先ほど宇奈月温泉に送り込みされた14760形が、急行電鉄富山行きとして折り返して来た。折り返してくるまでの時間に山の端から出た太陽はみるみる昇り始め、早くもギラギラした夏の陽射しがダイコン電車のサイドを照らします。平日のみ朝1本だけの上り急行電車は、電鉄黒部から先が急行運転になるレアな種別。実り始めた稲穂に朝露がキラキラと跳ねている。さっきの山並みアングルからすこーし横に開いて、そっとシャッターを切ってみた。


ブレーキの制輪子をキキキィ~!と軋ませながら、ホームにゆっくりと進入する朝の急行電車。電車が来る直前に、家族の軽自動車で駅までやって来た乗客が一人ホームに入って来た。スポーツバックを背負って街へ出る学生さんである。やって来る電車には目もくれずスマホをいじくりまわしている姿。当たり前だけど、周りの時間が止まったような駅でも、乗客の行動はしっかりと現代であるのだなあ。
コメント
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