青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

新黒部思案

2018年10月17日 17時00分00秒 | 富山地方鉄道

(新たな役割@新黒部駅)

北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅開業に伴って開設された新黒部駅に滑り込む14760系「特急くろべ」。エリア特急の名前の通り、電鉄黒部~宇奈月温泉間のショート運用。当然ながら新幹線を使って宇奈月温泉~黒部峡谷方面へアクセスする観光客を狙ったものです。東京8:55発のはくたか555号に接続するくろべ23号。三連休の中日でもあり、荷物を持った観光客が宇奈月温泉行きの特急を待っています。


北陸新幹線が開業したことで、黒部宇奈月温泉駅からは宇奈月温泉方面だけでなく黒部、魚津、滑川など富山湾沿岸部の工業都市へのアクセスも期待される地鉄本線。以前は富山から宇奈月温泉までは距離も長く運賃も高くで、いくら特急を走らせてもJRで魚津乗り換えのほうが圧倒的に早かったですからね。富山からの長距離輸送に力を入れるより、地鉄本線の黒部エリアは新幹線を中心としたフィーダー路線として生き残る道を選ぶのは自明の理と言ったところ。「特急くろべ」はその象徴とも言える存在です。


ただ、宇奈月温泉の大型旅館はマイクロバスで直接新幹線の駅までの送迎を行うところもあったりで、地鉄電車の利用者がどこまで増えるかは未知数。車でも15~20分くらいですからねえ。駅周辺には新幹線の利用者向けの広大なパークアンドライド用の駐車場もありますし。対抗策として地鉄も新黒部~宇奈月温泉の往復割引切符や「くろワンきっぷ」という黒部市内のワンコインフリー切符を地元と連携して利用促進を図ったりしていますが、その効果やいかに。
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