青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

思い出は幾星霜

2018年10月14日 17時00分00秒 | 小田急電鉄

(コックピットに花束を@東海大学前~秦野間)

長々と続く富山の話からちょっと離れますが、昨日10月13日は7月に定期運用を離れた小田急ロマンスカーLSEのラストラン運行が行われました。9月からLSEの引退興行と言うか、ツアー形式での団臨が計4回?組まれていて撮るチャンスもあったのですが、なーんか定期運用から離れてからは気が抜けてしまって撮りそびれていたのよね。晴れてたら足が向いたのかもしれないけど、そもそも9月からの週末は関東地方ほとんどまともな天気がない。台風が来てるか昨日みたいに北東気流が流れ込んでどん曇りになるかのどっちかだったし。


ラストランは新宿12:40発で、新宿→小田原→秦野という行路。どこで撮るかなと考えたんだけど、もうバカの一つ覚えみたいに秦野の大カーブに行ってしまいました。飽きるほどここでLSE撮ったけど、もうここで撮る事も出来ないもんな。臨時幕で才ヶ分の踏切を抜けて来たLSE、ラストランらしく展望席上のコックピットには花束が添えられていました。


久し振りに来た秦野の大カーブですが、築堤にはススキと混じってセイタカアワダチソウが跋扈していてスッキリとした見通しにならなかったのは残念。小田急関係者にはこの場を借りて適宜草刈りをお願いしたい次第(笑)。大カーブ周りの田んぼに刈り入れ前の稲穂でも残っていたら絵に入れたんだけど、だいたい終わっちゃってた。そして、ここの大カーブの田んぼも以前に比べるとだいぶ休耕田が増えましたな。稲に代わってジャガイモ畑を守るカカシが一人、ラストランを見送ります。


色付く柿の実を横目に。この団臨、車内ではラストラン記念乗車証の配布や現役運転士さんの思い出語りなど様々なイベントが行われたようですが、最近はどの鉄道会社も「名車の引退」と言うのはとても優秀な営業ツールになっていて、引退ビジネスも奮っているよね。「引退」と聞けば見境なく財布のヒモを緩めるマニア心理を逆手に取って、鉄道会社の強気な値段設定も目立ちます。特に小田急のロマンスカーと言えば、鉄道会社の中では贔屓目に見ずともトップブランドに位置する車両群だし、このラストランツアー即完だったみたいだけどどれくらいの倍率で催行されたのか想像もつきませぬ。


大カーブを後にして、小田原→秦野の最終行路はそれこそもう撮る事も出来ない四十八瀬界隈へ。ラストラン興行が4回も催行されたのと、昨日は鉄道関連のイベントが各地で開催されていたせいで思ったほどの人出はなく…上りの定番渋沢5号だけが盛況だったかな。7号行こうと思ったんだけど、橋が外されてたので手前の浅瀬で撮影する事に。長靴持って来ればよかった。四十八瀬の瀬音にかき消されて列車の接近が非常に分かりづらいのだが、浅瀬に三脚を立てて慎重に接近の気配を探りながらレリーズ。秋の気配の四十八瀬、灌木のすき間から姿を現したLSE。運転台の窓からファンから送られた花束がチラリ。


小田急のロマンスカーらしいオレンジバーミリオンにシルバーの色使いも、LSEの引退で見納め。個人的にはこの色がなくなるのがちょっと寂しいかなあ。デビューしてから38年間、春夏秋冬に様々なシーンを彩った四十八瀬の清流に幾星霜の思い出を浮かべて、最後のシーンを収めました。

ちなみにLSEにお別れを言いそびれてしまった勢は、20・21日の海老名公開でも展示があるのでそちらへどうぞ。中間車はバラされてしまうと思うけど、先頭車は2021年春に開館が予定されているロマンスカーミュージアムへ確実に収蔵されると思うので、改めての再会を楽しみに待ちたいと思います。
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