青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

10年ぶりのとっぱずれ

2019年12月30日 21時00分00秒 | 銚子電鉄

(青空の銚子半島@銚子電鉄・犬吠駅)

27日につつがなく今年の仕事納めを終え、既に正月休みに入っています。今回はカレンダー回りがいいせいか比較的ロングな9連休を取る事が出来ました。そうなると、今年の撮り納めをどこでやって来るかなあなんて考えていたんですけど、昨日は久し振りに銚子まで出掛けて来ました。記念すべき令和元年の最後の撮り鉄遠征。東関道の富里ICを降りてから、下道で50kmくらいえっちらおっちら走ってやって来た銚子の街。銚子になかなか足が向かなかったのはなぜ?と言われると答えにくいのだが、一番の理由は「遠い」という事にあるかもしれない。昔っから「ほととぎす 銚子は国の とっぱずれ」なんて言われていた場所で、鉄道でもクルマでもとにかく時間が掛かるんだよねえ・・・。思えば銚子電鉄は長いことご無沙汰していて、前回行ったのは「ぬれ煎餅」でブームになった頃だからかれこれおよそ10年ぶりくらいの訪問になります。犬吠の駅前に久々に立ってみると、駅の右側にあった相鉄電車の廃車体を利用したカフェはきれいさっぱりなくなって、高くなったヤシの木だけが気だるげに揺れていました。

銚子電鉄と言えば、何と言っても名物は経営危機を何度も救った「ぬれ煎餅」。銚子名産の醤油で作った特製ダレをたっぷりと染み込ませた、デンシャより稼ぎの良い名物アイテム。ちょっと小ぎれいになった駅ナカの売店で、久し振りにぬれ煎餅を買いましたけど、相変わらず美味いですねえ。マヨ&七味で食うとヤメらんねーやつ。合法麻薬。何気に上の棚に置いてある「ふわふわあげせん」「玄米あげ餅」とかの揚げ煎・揚げおかきシリーズも美味い。銚子電鉄の米菓に関しては、何を食っても味のクオリティのレベルは総じて高いと思う。逆に言えば、万人が美味いと思ったからこそ、電車を走らすほど売れたということなのかもしれない。

あの頃走っていた車両はほぼすべて引退し、今は旧型のツリカケを置き換えるために伊予鉄道から譲渡されたデハ2000形×2編成、デハ3000形×1編成の3編成で運用を賄っています。先代の801形も伊予鉄からの譲渡車で何かと縁が深いんですが、お互い600V路線ということで、譲渡に際し降圧工事が必要ないというのが大きいのかもしれません。ともに京王帝都電鉄で走っていた2010系・5000系の改造車で、京王帝都→伊予鉄→銚子と3社目の職場。車齢もそれなりに積んではいますが、それでも銚子の最新型車両。デハ2000の2連は、銚子側の先頭車両が湘南マスクの二枚窓になっているのがポイント。元々「グリーン車」と言われた京王の旧型車の、最後の生き残りです。

太平洋の海原から昇る朝日に包まれた君ヶ浜、畑の真ん中の4種踏切で座を構えます。朝露に濡れて光るは「灯台キャベツ」と呼ばれる銚子の主力農作物。ほどなく君ヶ浜の駅の踏切の鐘がカンカンカン・・・とリズミカルな音を立てると、青系のツートンに身を包んだデハ2000の2連が、海鹿島への坂道を登って行きました。


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