青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

帰り待つ 夕餉の香り 赤ポスト

2020年02月18日 23時00分00秒 | 高松琴平電気鉄道

(威風堂々@琴電琴平駅)

こんぴらまいりを無事終えて、山の麓の駐車場へ戻って来ました。レンタカーに乗って、今度は琴平からの復路を撮影しながら築港方面に返して行きます。大鳥居のたもとの琴電琴平駅。土讃線の琴平駅も、こんぴらさんの最寄り駅として立派な風格を誇っていますが、どっこいことでんの琴平駅も土器川の支流の金倉川沿いに、小ぶりながらもしっかりした造りの寺院風駅舎を持っています。金倉川は、満濃池に源を発する川です。

見た目がそれっぽいので開業当時からの駅なのか・・・?と思いきや、作られたのは1988年と比較的新しい駅舎。頭端式の1面2線と言う典型的な地方私鉄の終着駅です。挿頭丘の駅で撮影したセブンイレブンラッピング編成が止まっていました。改札口前ではインバウンドの旅行者が高松行きの電車を待っていましたが、そうそうまだこの頃は新型肺炎ウイルスなんてあまり話題になってなかったからなあ。西日本の観光地って、多かれ少なかれ中華インバウンドに支えられている部分が多かったと思うので、今はどうなっているのだろうか。

榎井(えない)~羽間(はざま)間の土器川橋梁にて、先ほど琴平の駅に留置されていた京急&セブンイレブンの4連を。冬の夕映えはあっという間にこんぴらさんの山の端に消えて、霞むようにビロードの光が空を染めています。一宮~円座間の香東川橋梁と並んで、この土器川の鉄橋はことでんでは大きな規模の鉄橋ですが、香川県の川と言うのはどうにも水が少ない印象がある。たまたま雨の降ってない時期に行ったからかもだけど、基本的に川に流すくらいなら池に貯めておきたい「ため池文化」の国だなあと。

羽床駅。堤山を眼前に見る駅。集落の片隅に片面1線のホームがあって、讃岐平野をまっすぐに貫くように線路が続いています。なんか鉄道の本でこんな写真を見たな・・・なんて思ったのだけど、これ指宿枕崎線の西大山の駅と開聞岳の構図みたいだね。ジェネリック西大山(笑)。いや、撮影地にジェネリックもクソもないと思うのだけど。

基本的には築港まで、来た道を辿りながら滝宮駅。ブルーモーメントにその姿を見ると、また昼間とは見え方が異なって趣深いものがあります。ちょうど築港駅から滝宮止まりの電車がやって来て、ポイントをハネて2番線に進入して来ました。通勤帰りの乗客が、構内踏切を渡って降りて来ます。それを迎える初老の駅員と赤ポスト。父の帰りを待つ家族の、夕餉の香りが漂ってきそうな、滝宮駅の宵闇です。


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