(世界遺産のターミナル@東武日光駅)
のんびりと日光・鬼怒川・川治方面の記事を投稿していたら、あっという間に12月になってしまった。9月~10月の週末は、毎週「天気悪いなあ」と空に向かって文句ばかり言っていたのだけど、打って変わって11月はひと月丸ごと晴れベース、それもかなり良質な晴れの日が多く、そいでもって台風の上陸がなかったもんだから紅葉の色付きの良さも際立っていたように思います。かくいう私も好天に恵まれた週末ごとハンドルを握り、あちこちと紅葉巡りに忙しい霜月の一ヶ月でありました。平日の夜、静かにホームに到着した6050系の普通電車。観光客・・・と言うよりは普段使いの乗客たちが、足早に改札口に急ぎます。
人っ子一人いないホームにて、6050系との逢瀬を愉しむ。おっ、この列車は、野岩鉄道持ちのインフレナンバーだ。折り返しの30分間、ホームで静かに眺めながら思うがままにシャッターを切ってみる。V字に広がった東武日光のホームのちょうど分かれ目のところにイチョウの木が植わっていて、いい色付きを見せていました。
下今市行きの2連と新栃木行きの4連。平日のこんな時間に6050系を愛でているのは自分だけでしょ、なんて思っていたら、遠くの方で同年輩の方もカメラを持って思い思い撮影に勤しんでいる。お互いの動線が構図に被らないようにしながら、あちらさんもあれこれと忙しそう(笑)。直接言葉を交わすことはなかったですけど、お互いに「アンタも好きねェ」と思っていたりするのだろうか。先行きを考えると、近い将来にはいずれにしろ淘汰されゆく車輛です。静かに心行くまで赤いモケットに身を沈め、テーブルを出してホームの自販機で買った缶コーヒーを啜る事が出来るのも、今のうちなのかもしれませんね。
駅前に鎮座ましますのは、日光軌道線で使われていた路面電車・100型。ちなみに日光軌道が廃止になった後、岡山電気軌道に譲渡された組は3000型としてイベント専用ながら未だに現役だったりします。日光軌道線は、東照宮の前を通っていろは坂の下にあった馬返駅で中禅寺湖方面へのケーブルカーに接続していましたが、元はと言えば足尾銅山から産出された銅鉱石を銅板や電線に加工するため、清滝に作られた古河電工の工場への資材・製品輸送のために建設された産業路線でもあります。路面電車なのに、結構な坂道を小さな電関が貨車引いて走ってたらしいけど、見てみたかったわあ。日光軌道線で使われていた機関車であるED610は胴長短足寸詰まりのいで立ちで、相鉄のED11によく似ていて親近感があったり。
宵の口の東武日光駅前で一人。紅葉の時期の日光に来るのなら、日帰りなんて勿体ないような気もします。正直、最初は日光湯元温泉にでも宿を取って、乳白色のにごり湯に浸かりながらまったりと秋の夜長を愉しもうかなあなんて思ってたんですけどねえ・・・そこらへんは家族を持つ身の辛さ、そうおいそれと抜け駆けでの一人外泊などはさせてもらえないのであります(笑)。ってかウチの場合、最近はヨメよりも子供が「ずるい!東武電車に一緒に行きたかった!」と言うのでねw
また冬を迎えてコロナの感染拡大が叫ばれていますが、この11月が、大手を振って出掛けられた最後の月だったな・・・なんて事にならないように、気を付けたいものです。
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