青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

桜が紡ぐ半世紀

2018年04月05日 22時06分47秒 | 中央東線

(サクラトキヲコエテ@甚六桜)

旧線のスイッチバックの引き上げ線跡に咲く、私が愛してやまない勝沼の甚六桜。少しだけオオシマザクラ系の桜が混じっていて、既に葉を出した枝もありましたけど、最後の見頃と言う感じで坂道にしなだれかかっていました。あたかもそれは桜のタイムトンネルのように見えて、ひょっとしてタイムトンネルの向こうに行けば、旧型客車を連ねたED16とかが走っていたりするのかな。そんな妄想がはかどりそうな、幻想的な世界でした。


甲府から塩山へ、大きく扇状地を回りながら高度を稼いできた列車は、勝沼の駅に停車した後この引き上げ線までバックし、改めて勢いをつけて笹子峠の下にある初鹿野へ向かって登って行ったのでしょう。残された鉄道境界杭の遺構だけが、峠道の苦労話を静かに語りかけてくれます。


いつものHDS俯瞰でいつものE257。春霞む南アルプスの山並み。甲府盆地の底では桃の花が咲き始めて、桜桃が咲き競って華やぐのが甲州の春でもあります。昭和43年にスイッチバックが廃止されてから、既に50年の月日が流れました。スイッチバックが廃止されてから、地元有志の取り組みで植えられた甚六桜。半世紀を経て自然に還りつつある築堤に、見惚れるような桜が咲きます。
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