tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

奈良公園の馬酔木

2006年03月18日 | 日々是雑感
今日(3/18)の奈良盆地は、あいにくの雨となった。土曜日なので、見頃を迎えた梅などを求め、家族連れが行楽に繰り出す時期なのだが、残念だった。

たいてい今頃は、筍(タケノコ)梅雨とか菜種梅雨とか言われ、雨の多い時節ではある。18日15時現在の天気図を見ても、九州にいる低気圧が北上しつつあり、明日以降は東~北日本で大荒れになりそうな雲行きだ。

さて写真は、今日の雨そぼ降る中、奈良公園周辺で見つけた馬酔木(アシビorアセビ)だ。馬酔木は奈良公園にやたら多い。理由は簡単で、鹿が食べないからだ。何しろ煎じた汁が殺虫剤として使われたほど毒性が強いのだ。

可憐な馬酔木の花は万葉集にもよく詠まれているが、有名なのが謀反の罪で殺された大津皇子の姉・大来皇女(おおくのひめみこ)の悲しい歌だ。

「磯の上に生(お)ふる馬酔木を手折(たを)らめど見すべき君がありと言はなくに」
(馬酔木がきれいに咲いているので、皇子に見せてあげようと思ったのに、あなたはもういないんですね)

馬酔木は造花のようにカサカサした花なのだが、雨に打たれるとしっとりと潤い、ミニ“スズラン”のような趣になる。これもまた風情があって良いものだ。
コメント
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