tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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イチョウが泣いている

2007年11月24日 | 環境問題
11/14付の奈良日日新聞に、こんな見出しの記事が載った。「天理市の木 イチョウに異変 黄葉せず枯死寸前 無理なせんてい原因」。天理市のボランティア団体、「環境市民ネットワーク天理」がこの問題を提起した。
http://www.kankyoshimin.net/index.html

同団体は《黄葉すべき時期になっても葉が緑色の状態や、幹から葉を茂らせ幹の芯が空洞化するなど、枯死や枯死寸前の命短いイチョウが多いと危惧(きぐ)する。理由は無理な“せんてい”や舗装など》(同紙)。
http://www.naranichi.co.jp/20071114ne1409.html

私も、以前から気になっていた。御堂筋のイチョウはとても大きくて葉もたくさん茂らせる。秋になると葉もギンナンもいっぱい落ちて、これが大阪の秋の風物詩となっている。

しかし天理のイチョウは、幹が太いのに極端に背の低い木が多い。よほどキツい剪定をしているのだろう。いつもは車窓から眺めるだけだったが、車を降りて撮ってみたのが冒頭の写真だ(於:親里大路=市役所の北側)。

驚くべきことに、葉が黄葉する前に枯れかけている。若い木はともかく、幹が太くなった木はほとんどがこんな状態だ。幹の芯も「空洞化」していることだろう。

天理のイチョウは密集して植えられているので、余計に剪定が必要になるのかも知れない。根っこの土の部分も狭いから、水も十分吸えないだろう。どうもこれは当初計画にムリがあったようだ。

アレックス・カー氏のこんな言葉を思い出す。《現代日本では落ち葉はいけないので、街路樹の葉をあらかじめ切り落とす。日本を訪れた外国人の友達に「この国の木は変な病気にかかっているのか」と尋ねられた。四季を大切にしてきた日本が、今や「三季」になってしまった》(11/5付 日経新聞)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/cddbe6112b39e6d8f0e71f24e44385b8

天理のイチョウは、遠目にはこんなにきれいだ。1994年には「新日本街路樹百選」(読売新聞社120周年記念企画)にも選ばれている。
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/25/86e64d0c46ddbf7915030b4fbd528f69.jpg

環境市民ネットワーク天理は、12/2(日)にも「イチョウ健康度調査」を行う予定で、協力者を募集中だ。この状況は、今から剪定の方法を変えるだけでも相当改善されるだろう。

イチョウが地球上に出現したのは2億年前だという。それが今頃になって、人間の手で瀕死の危機に追い込まれようとは、想像もしなかったことだろう。ぜひ市民のパワーで、イチョウの生命を救っていただきたいと思う。
コメント (6)
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