会社のお取引先のMさんから、「汐留らーめんが人気ですよ」と教えていただいた。東京・汐留にある日本テレビタワーの地下2階にあり、開店当初は長蛇の行列ができていたとのことだった。それは面白そうだとネットで調べてみると、テレビ番組から登場したラーメン店だった。局のHPから抜粋すると
《日本テレビ開局50周年企画、朝の情報番組「ズームイン!!SUPER」の企画から誕生した、汐留名物『汐留らーめん』》《“どこにもないらーめん”というテーマのもと、汐留名物といわれるまでになった『汐留らーめん』の代表格である【汐留味】は、豚骨、牛骨、鶏ガラに加え、スルメのゲソや小鯛の煮干しなどの珍味をブレンドした独特の魚介風味が広がるコク深い味わいの醤油味です》。
http://www.ntv.co.jp/ramen-p/
Wikipediaにも出ていた。《店長は和食界出身の、竹若 幸之助(たけわか こうのすけ、1970年(昭和45年)1月28日- )。2003年(平成15年)に日本テレビ企画の創作ラーメン対決に応募。500人を超える応募者がひしめき合う中、書類審査、面接、準決勝を突破、2004年(平成16年)3月に行われた決勝で優勝した》《日本テレビ・日清食品とのタイアップで、2004年(平成16年)に「汐留らーめん 汐留味」を発売。そして2006年(平成18年)にはカップ麺「汐留らーめん 汐留塩味」を発売している》。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%90%E7%95%99%E3%82%89%E3%83%BC%E3%82%81%E3%82%93
しかし驚いたことに、ブログなどに出ていた店の評判は、毀誉褒貶(きよほうへん)相半ばというより、悪口雑言・罵詈讒謗(ばりざんぼう)の山であった。目に止まった3人の感想を並べると、
《スープがやけにぬるかったです。味は独特なので、ラーメンフリークの方の舌には全く別の反応があるかもしれません。が、僕には魚介の生臭さが鼻について、苦手でした》。
《自分には合ってないかと。妙に濃い感じなので、食後に水を飲まないと口の中が厳しいです》。
《ストレートな麺の上にはメンマとチャーシューとほうれん草(?)それなりに美味しいです。しかし、やたらと量が少ない・・・具も少ない・・・値段は高い・・・ということでまあ美味しいけれど値段設定が高すぎという感想でございました》。
向かって右が日本テレビタワー。
カップ麺が出るほどのラーメンなのに、この悪評は何だろう、と逆に興味をそそられたので、9/11(木)、上京のついでに立ち寄ってみた。
JR新橋駅で下車し、徒歩4、5分で店に着いた。地下道を通ればそのまま店に直行できるので、とても具合が良い。すぐ近くに、日本テレビに関するグッズ・ショップ「日テレ屋」がある。日清の「汐留らーめん」はなかったが、「ごくせん熊井ラーメ 辛味噌豚骨味」(仲間由紀恵主演のドラマ「ごくせん」に登場する「熊井ラーメン店」をイメージしたカップ麺)が189円で出ていたので、つい買ってしまった。
日テレ屋
さて汐留らーめんである。混雑時を外したので、人影はまばらだった。入口の自動販売機で、限定100食という「汐留餃子らーめん膳」(汐留らーめん小、餃子、ライスのセット)890円の食券を購入。店に入るとツンと鼻をつく異臭がする。どこかのブログに《飲食店として、あるまじき臭いがした》と出ていたのは、この臭いだ。これはアンモニア臭で、要はトイレの臭いなのだ。たぶんダシにしているスルメの足から発するものだろう。ま、私の鼻はすぐ慣れたが。
待つこと数分で餃子とご飯、続いて汐留らーめん(小)が出てきた。ステンレスのレンゲでスープを一口。猫舌なので、さほどぬるいとは思わなかったが、関西人の私には塩辛い。塩や醤油が多いのだろう。これは“塩止(しおど)め”ならぬ“塩多め”ラーメンだ。テーブルに「らーめんを食べ終わりましたら、残ったスープで雑炊としても召し上がってみて下さい。ライス100円」とあったから、辛さは自覚しているのだ。なお以前はライスが180円だったようで、上に紙を貼って修正してあった。
汐留らーめん膳
化学調味料の味もするが、肉系に魚介ダシを加えたWスープ自体は悪くない。麺は太くてモチモチしていて、これは美味しい。トッピングは少ないが、チャーシューはまずまず。具だくさんの餃子もイケる。隣の人が普通サイズの汐留らーめんを食べていたが、丼が大きい割に麺や具は少なそうだった。これで790円は、やや割高感がある。
総じて、普通に美味しいラーメンだ。並んでまで食べる気はしないが、悪口を言うほどではない。東京には美味しいラーメン店がたくさんあるから、それらの名店と比較すれば見劣りする、ということなのだろう。
店の入口近くには地上に出る広い階段があり、ピーク時には地上までずらりと列ができたそうだが、それは視聴者がテレビに踊らされたということで、お気の毒さまと言うしかない。
それにしてもテレビの力とは、すごいものだ。我々受け手側としては、垂れ流される情報を鵜呑みにすることなく、自ら培(つちか)った「メディアリテラシー」(メディアから流される情報を取捨選択して活用する能力)で判断すれば良いのである。
一杯のラーメンから、いろんなことを考えさせられたランチタイムであった。Mさん、どうも有り難う。
《日本テレビ開局50周年企画、朝の情報番組「ズームイン!!SUPER」の企画から誕生した、汐留名物『汐留らーめん』》《“どこにもないらーめん”というテーマのもと、汐留名物といわれるまでになった『汐留らーめん』の代表格である【汐留味】は、豚骨、牛骨、鶏ガラに加え、スルメのゲソや小鯛の煮干しなどの珍味をブレンドした独特の魚介風味が広がるコク深い味わいの醤油味です》。
http://www.ntv.co.jp/ramen-p/
Wikipediaにも出ていた。《店長は和食界出身の、竹若 幸之助(たけわか こうのすけ、1970年(昭和45年)1月28日- )。2003年(平成15年)に日本テレビ企画の創作ラーメン対決に応募。500人を超える応募者がひしめき合う中、書類審査、面接、準決勝を突破、2004年(平成16年)3月に行われた決勝で優勝した》《日本テレビ・日清食品とのタイアップで、2004年(平成16年)に「汐留らーめん 汐留味」を発売。そして2006年(平成18年)にはカップ麺「汐留らーめん 汐留塩味」を発売している》。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%90%E7%95%99%E3%82%89%E3%83%BC%E3%82%81%E3%82%93
しかし驚いたことに、ブログなどに出ていた店の評判は、毀誉褒貶(きよほうへん)相半ばというより、悪口雑言・罵詈讒謗(ばりざんぼう)の山であった。目に止まった3人の感想を並べると、
《スープがやけにぬるかったです。味は独特なので、ラーメンフリークの方の舌には全く別の反応があるかもしれません。が、僕には魚介の生臭さが鼻について、苦手でした》。
《自分には合ってないかと。妙に濃い感じなので、食後に水を飲まないと口の中が厳しいです》。
《ストレートな麺の上にはメンマとチャーシューとほうれん草(?)それなりに美味しいです。しかし、やたらと量が少ない・・・具も少ない・・・値段は高い・・・ということでまあ美味しいけれど値段設定が高すぎという感想でございました》。
向かって右が日本テレビタワー。
カップ麺が出るほどのラーメンなのに、この悪評は何だろう、と逆に興味をそそられたので、9/11(木)、上京のついでに立ち寄ってみた。
JR新橋駅で下車し、徒歩4、5分で店に着いた。地下道を通ればそのまま店に直行できるので、とても具合が良い。すぐ近くに、日本テレビに関するグッズ・ショップ「日テレ屋」がある。日清の「汐留らーめん」はなかったが、「ごくせん熊井ラーメ 辛味噌豚骨味」(仲間由紀恵主演のドラマ「ごくせん」に登場する「熊井ラーメン店」をイメージしたカップ麺)が189円で出ていたので、つい買ってしまった。
日テレ屋
さて汐留らーめんである。混雑時を外したので、人影はまばらだった。入口の自動販売機で、限定100食という「汐留餃子らーめん膳」(汐留らーめん小、餃子、ライスのセット)890円の食券を購入。店に入るとツンと鼻をつく異臭がする。どこかのブログに《飲食店として、あるまじき臭いがした》と出ていたのは、この臭いだ。これはアンモニア臭で、要はトイレの臭いなのだ。たぶんダシにしているスルメの足から発するものだろう。ま、私の鼻はすぐ慣れたが。
待つこと数分で餃子とご飯、続いて汐留らーめん(小)が出てきた。ステンレスのレンゲでスープを一口。猫舌なので、さほどぬるいとは思わなかったが、関西人の私には塩辛い。塩や醤油が多いのだろう。これは“塩止(しおど)め”ならぬ“塩多め”ラーメンだ。テーブルに「らーめんを食べ終わりましたら、残ったスープで雑炊としても召し上がってみて下さい。ライス100円」とあったから、辛さは自覚しているのだ。なお以前はライスが180円だったようで、上に紙を貼って修正してあった。
汐留らーめん膳
化学調味料の味もするが、肉系に魚介ダシを加えたWスープ自体は悪くない。麺は太くてモチモチしていて、これは美味しい。トッピングは少ないが、チャーシューはまずまず。具だくさんの餃子もイケる。隣の人が普通サイズの汐留らーめんを食べていたが、丼が大きい割に麺や具は少なそうだった。これで790円は、やや割高感がある。
総じて、普通に美味しいラーメンだ。並んでまで食べる気はしないが、悪口を言うほどではない。東京には美味しいラーメン店がたくさんあるから、それらの名店と比較すれば見劣りする、ということなのだろう。
店の入口近くには地上に出る広い階段があり、ピーク時には地上までずらりと列ができたそうだが、それは視聴者がテレビに踊らされたということで、お気の毒さまと言うしかない。
それにしてもテレビの力とは、すごいものだ。我々受け手側としては、垂れ流される情報を鵜呑みにすることなく、自ら培(つちか)った「メディアリテラシー」(メディアから流される情報を取捨選択して活用する能力)で判断すれば良いのである。
一杯のラーメンから、いろんなことを考えさせられたランチタイムであった。Mさん、どうも有り難う。
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