tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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紀寺の家が、木の建築賞・大賞を受賞!

2014年06月17日 | 奈良にこだわる
奈良町宿(ならまちやど)「紀寺の家」(奈良市紀寺町779)代表の藤岡俊平さんは以前からよく存じ上げており、Facebookでも「友達」にしていただいている。6月7日がお誕生日なので、この日は朝から「おめでとう」メッセージを書こうと思い、起床してすぐ眠い目をこすりながら朝刊を開くと、なんと!《「紀寺の家」が木の建築賞・大賞 ならまち 築100年前後の古町家を改築》(産経新聞奈良版6/7付)という記事がカラー写真つきで紹介されていた。
※トップ写真は藤岡俊平さん。紀寺の家のWebサイトから拝借


以下の写真は、奈良女子大向けインターンシップの様子(2012.9.2撮影)





早速《お誕生日、そして「木の建築賞」大賞・「メンバーズチョイス賞」受賞、おめでとうございます!》というお祝いメッセージを送り、ついでに報道発表資料を催促しておいた。で、送って下さったのが以下の資料と《ブログを楽しみにしております。地道な活動ではございますが、一歩一歩進めていきたいと思います。引き続き応援よろしくお願いいたします》というメールだった。産経以外の新聞には掲載されていないようなので、ここに紹介させていただく。ニュースの発信者は、お父さまの藤岡龍介氏(藤岡建築研究室)だ。





報道関係者各位 プレスリリース 2014.05.15
藤岡建築研究室 藤岡 龍介

第9回 木の建築賞・大賞&メンバーチョイス賞 受賞
(5/31 東京大学農学部弥生講堂にて受賞式)

木の建築賞とは「木の建築に関わる者が自らの仕事や活動を発表し、相互に評価するとともに、賞の選考過程をこれからの木の建築のあるべき方向を探る議論の場」と考え、NPO法人 木の建築フォラムが日本を4つの地域に分け、それぞれの地域で4年に1度企画したものです。







この度、我々が設計監理、また運営を行なう奈良町宿「紀寺の家」が大賞、メンバーチョイス賞をダブル受賞いたしました。

NPO木の建築フォラム選考委員長の泉 幸甫氏からは、「企画者、設計者、運営者でもある藤岡龍介さんは保存改修の仕事に建築家人生の多くの時間を費やしてこられたが、その具体的で広範な知識、手法は一夜にして得られるようなものではなく、地道な努力の継続、そして物を作る人々との連携によって築き上げられたものであることがこの建物をみると一見してわかる。このような地道な姿勢こそはこれから木の文化を再建築する上で基本的に必要な姿勢ではないかと思い知らされる」



彼女たちは、吸い寄せられるようにここに座った。ここには人の本能に訴える「何か」があるのだ





「奈良町宿 紀寺の家は、単なる一長屋の改修にとどまらず、木の建築における歴史的、生産的、美学的、社会的かかわり方に一石を投じるもので木の建築賞大賞にふさわしい作品である」といった高評価をいただきました。5月31日には東京大学農学部弥生講堂にて受賞式がおこなわれる予定です。
特定非営利活動法人 木の建築フォラム (東京都文京区後楽1-7-12 T:03-5840-6406)



「木の建築賞」大賞と、2次選考会による「メンバーズチョイス賞」受賞というダブル受賞は、史上初だという。「紀寺の家」は、オープン以降、私も何度か当ブログで紹介させていただいた。大正13年前後に建てられた長屋2棟と平家の町家1棟で、取り壊して学生アパートになる話を聞きつけ所有者と交渉、2009年から11年にかけて全面改修された。





韓国人留学生(院生)を含む奈良女子大の学生たちを、「紀寺の家」に連れて行ったことがある。全員目を輝かせて、「こんな宿に泊まってみたい」を連発していた。木をふんだんに使った内装には目を見張るし、柔らかに外光を取り入れる工夫も素晴らしい。産経の記事には《藤岡代表は「木の文化推進を続けている奈良の代表として、受賞したと思っている。今後も木の建築デザインの可能性に挑戦していきたい」と話している》とあった。





奈良県の県土の77%は森林である。世界最古の木造建築物は法隆寺の伽藍、世界最大の木造建築物(伝統工法による)は、東大寺大仏殿だ。室町時代末には、すでに川上村で造林が行われたという記録がある。秀吉が大坂城や伏見城を築城する時代には、吉野材が多量に搬出されたという。奈良県は、古くから木の文化を発信し続けているのだ。そんな奈良の藤岡建築研究室の「紀寺の家」が大賞とメンバーチョイス賞をダブル受賞したことは、とても嬉しいし、意義深いことだ。

藤岡龍介さん、俊平さん、このたびはおめでとうございます。これからも良いお仕事を期待しています!

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