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珍しい茅葺き屋根の拝殿、天理市の「夜都岐(やとぎ)神社」/毎日新聞「やまとの神さま」第60回

2023年10月27日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。2023.10.12付で紹介されたのは〈夜都岐神社(天理市)/春日大社と深い縁〉だった。執筆されたのは、奈良市在住の久門たつおさんだった。
※紅葉の写真3枚は、夜都岐神社境内で撮影(2005.11.23)



この神社は天理大学「親里(おやさと)ホッケー場」の近くにあるので、ホッケー(南都銀行女子ホッケーチーム)の試合のときに何度かお参りしたことがある。静かなたたずまいで、とりわけ秋の紅葉が見事だった。



また、同行の「萬葉チャリティウォーク」で、「山の辺の道 南コース(天理~柳本間)」として、「同行天理支店駐車場~ 石上神宮~夜都伎神社~ 大和神社~大和神社御旅所~長岳寺~黒塚古墳」というコースを歩いたこともある。では全文を紹介する。



夜都岐神社(天理市)/春日大社と深い縁
夜都岐(やとぎ)神社は平安時代の「延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)」に「岐」ではなく「伎」の「夜都伎神社」と記載されており、現在でも、こう書く資料もあります。

元々、天理市乙木(おとぎ)町には、夜都岐神社と春日神社があり、江戸時代中ごろに夜都岐神社がなくなって春日神社のみが残り、名称だけ夜都岐神社に変更されました。

乙木地区は鎌倉時代初期には春日大社と興福寺大乗院の荘園だったため、春日神社には春日大社の祭神・武甕槌命(たけみかづちのみこと)など4柱が勧請(かんじょう)されました。

また、ハスで作った「蓮の御供(ごく)」を明治維新まで春日大社に供えていた縁で、春日大社の造替(ぞうたい)で古い社殿などをもらい受ける慣行がありました。西にある朱塗りの鳥居は1848(嘉永元)年に春日大社の摂社・若宮神社から移されたものです。

拝殿は入母屋(いりもや)造り(上部は切妻屋根、下部は前後左右に勾配がある寄棟造り)で、県内でも珍しい茅葺(かやぶ)きです。2015年に30年ぶりに屋根が葺き替えられました。春日造り(切妻屋根で、棟と直角な面に入り口がある様式)の本殿は22年にそれまでの桧皮葺(ひわだぶ)きから銅板葺きに新調されました。

天理、桜井両市を結び、日本書紀に登場する「山の辺の道」沿いに神社はあり、ハイキング途中に訪れる人も見られます。(奈良まほろばソムリエの会会員 久門たつお)

(住 所)天理市乙木町765
(祭 神)武甕槌命(たけみかづちのみこと)、経津主命(ふつぬしのみこと)、天児屋根命(あめのこやねのみこと)、日売大御神(ひめおおみかみ)
(交 通)JR・近鉄天理駅から桜井駅行きバスで乙木口下車。東に徒歩約15分
(拝 観)境内自由
(駐車場)なし


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