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どうもスッキリしない日本語/語学留学、検査入院

2016年11月04日 | 意見
先日は、「『拾う』は『ひらう』か『ひろう』か」という疑問を投げかけた。Facebookに転載して皆さんからご意見をいただいた結果、正しいのは「ひろう」で、「ひらう」というのは「関西でよく使う誤用」で「ほぼ関西弁」あることが判明した。考えてみれば、他にもどうもスッキリしない言葉があるので、ここで紹介したい。

1.語学留学
この言葉はすでに大辞泉にも出ていて、「外国語を習得するための留学」とある。新聞広告などでも「語学留学しませんか?」というものをよく見かける。私の気持ちがスッキリしないのは、「留学というのは、語学を習得してから行くものであり、留学してから語学を習得するというのは、本末転倒ではないか?」ということである。つまり「語学は日本でも十分習得できる」し、「そもそも留学とは、もっと別の(高次元の)目的を持って行くべきものではないのか」ということである。

若い頃、会社の研修プログラムで、2~3ヵ月、アメリカの大学などで「Banking」(銀行論、銀行業務)を学ぶという機会があった。社内で英語による選抜試験があり、それに合格すると行けるというシステムで、何年か週1回の英会話スクールに通って英語を勉強(再勉強)して臨んだ。現地の授業などはすべて英語なので、あらかじめ英語を習得しておかないと、決してついて行けないのだ。

夏休み期間中だったので、現地では日本から来ている高校生や大学生と会った。日本人同士で群れて買い物したり、カラオケしている場面を見たのである。「何しに来たの?」と聞くと「語学留学」という。しかし、彼らは日本語で話しているのだ。ホームステイしているということなので、英語を話す機会もあるようなのだが、そもそも語学を習得せずに来ているので、はなはだ心許ない。「親御さんたちはこんな実態を知らないのだろうな」と同情したい気持ちになった。

語学は日本で十分習得できる。私も日本で勉強し、TOEICで800点あまり、英検は準1級程度には身に付けた(そうでないと社内の選抜試験に受からない)。広告などで語学留学の「カリキュラム」を見ると、日本の英会話スクールでやっていることと大差はない。最近は格安をうたってセブ島(フィリピン)やフィジー(オセアニア)へ語学留学しませんか、という広告も出ていて「それでどんな英語が身につくのだろう?」と首をかしげる。

高いお金を出して長期滞在すれば自然に語学が身につく、という甘い話などありえない。それなら日本の「駅前留学」(英会話スクール)で勉強する方が、コストも安いし期間も長く勉強できる。子供をもつ親御さん、ゆめゆめ「語学留学」という甘言には乗せられないないよう、ご注意を。

2.検査入院
このファジーな言葉は、まだ辞書には載っていないようだ。私の周囲でも「ちょっと検査入院で…」という人がいる。単なる「入院」でなく、頭に「検査」をつけてインパクトを弱めているところがミソだ。しかし単に検査するためだけに入院するだろうか?それなら宿泊つきの人間ドックではないか。だが彼らはあくまで特定の疾病のための入院であるから、決してドックではない。

要するに「疾病の治療のための入院」であり、そこに「検査」が付随するというだけのことではないか(そもそも治療のためには検査がつきものだ)。それなら潔く「入院」と言うべきだが、そこまで言い切りたくない、ということだろう。当人は「あまりご心配なく」という気持ちで、遠慮して検査入院と称するのだろうが、私としては決して聞き流すことなく、むしろ重く受け止めて友人のことを心配したい。

皆さん、他にもこんなスッキリしない言葉って、ありませんか?

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