tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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柿の味

2005年11月20日 | 日々是雑感
今年も実家から柿が届いた。富有柿(ふゆがき)という品種で、郷里の名物だ。すでに1か月前に、平核無(ひらたねなし)という柿が届いていたのだが、これは渋を抜いた合わせ柿だ。

平核無も悪くないが、実がやや柔らか過ぎ、甘さがくどい。富有柿の甘さは、ほんのりとしていてあとを引く。シャキシャキした食感で、歯ごたえ抜群だ。

小学校高学年の頃、通学路の段々畑に「日本一 九度山の富有柿」という大きな看板が建った。誇るものなど何もないと思っていた和歌山県の片田舎に、日本一のものがあったというのは、驚きであったし嬉しくもあった。

40歳を越えた頃から、柿を好んで食べるようになった。それまで実家からもらった柿は、自分ではほとんど食べていなかったのだ。それを母に告げると「トシをとったら、柿が好きになるらしいよ」と言われてしまった。

実家には柿畑があり、家族揃って柿を取りに行き、その場で食べた記憶もある。柿が嫌いではなかったはずだ。その話を持ち出すと母は「あんたがいくらでも柿を欲しがるので、お祖母ちゃんが、これは渋柿やで、と言いきかせてたよ」と言う。

柿は消化があまり良くなく、体を冷やすので、子供が食べ過ぎては良くないとの躾だったようだ。だが、その躾がもとで30年以上もこんな美味しい果物を遠ざけていたとは。

しかし柿を敬遠していたのは、過去の刷り込み体験だけでもなさそうだ。昭和の高度成長期から、いろんな果物が栽培されたり輸入されたりするようになった。バナナ、パイナップル、メロン、オレンジ、巨峰、キウイ、ラ・フランス…。

これらの香りも甘みも強い果物に比べれば、柿はいかにも地味だ。ケーキに対する饅頭、ゼリーに寒天、クッキーに煎餅、コーヒーに煎茶。

トシのせいで素朴な味を好むようになったというのは、納得できる話だ。そういえば、最近は饅頭も好きになった。この話をすると「糖尿の気(け)では」といわれそうで、家内にも黙っているのだが。

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2 コメント

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九度山の富有柿 (橋本高校OG)
2008-08-24 23:04:01
「日本一の富有柿」の看板。懐かしいです。
わたしは子どもの頃、大阪市内に住んでいました。母の実家が高野口町向島でしたので、帰省の時は、九度山駅で下車。その後、徒歩でした。九度山町と言われて、思い出すもの。お米屋さんのでっかい金太郎の像とこの看板、駅前の天然プール。営林署。真田庵に自尊院。高校の同級生にあなたと同じ名字の製材所の男の子がいました。柿は、子どもの頃は嫌いでしたが、今では、かたい富有柿が大好きです。平核無は、すぐに熟するので今でも嫌いです。
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伊都高校OB (tetsuda)
2008-08-25 06:17:46
橋本高校OGさん、コメント有り難うございました。

> お米屋さんのでっかい金太郎の像とこの看板、
> 駅前の天然プール。営林署。真田庵に慈尊院。

営林署もなくなりましたね。金太郎の像のところは、お医者さんでした(米金)。慈尊院のことは、何度か当ブログに書きました。http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/703062f5b0662efee2c99eb36c49feaf

> 今では、かたい富有柿が大好きです。

さっぱりとした甘味が良いですね。

> 高校の同級生にあなたと同じ名字の製材所の男の子がいました。

6歳下の弟か、分家の子たちでしょうか。柿畑は向島にありました。京奈和道が高野口まで開通したおかげで、奈良市から90分で行けるようになりました(それまでは2時間かかっていました)。
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