tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

東京・上野 鰻割烹 伊豆榮本店のうな重(梅)

2019年04月25日 | グルメガイド
4月8日(月)~12日(金)、奈良まほろば館(東京・日本橋三越前)で5日間の連続講座をやった。1日1テーマで昼と夜の2回、計10回の集中講座である。まん中の10日(水)になると、さすがに疲れが出てくる。

そこで元気づけにウナギを食べに行くことにした。向かった先は上野の「鰻割烹 伊豆榮本店」(東京都台東区上野2-12-22)、ここで「うな重(梅)」(税込5,400円)のご飯大盛り(+108円)を注文した。ぴあMOOK『東京老舗名店』(2017.9.10発行)によると、



文豪にも愛された老舗中の老舗
八代将軍徳川吉宗の時代に創業。江戸期より鰻の名店として名を馳せ、明治期には森鷗外や谷崎潤一郎などの文豪たちも足を運んだ。特に鷗外は度々来店し、出前も取るほど贔屓にしていたという。



伝統の味を支えるのは、二百数十年の歴史に育まれた匠の技だ。「焼き」一つにも、炭火の加減、火の通し方、煙のまわし方など門外不出の技が息づく。連綿と受け継がれた味わいは、江戸に生まれた鰻という食文化の真髄を体感させてくれる。




うーん、これは文句なしにうまいっ!ウナギは箸でスッと切れるほど柔らかい。江戸風のタレも美味しくて、控えめにかかっている。テーブルにもタレがあるので、好みでかけられるようになっている。最近はやたらタレがたくさんかかっているお店があるが、ここは良心的である。最近は「ひつまぶし」で食べることが多かったが、これほどウナギが良いと、やはり普通に(鰻丼、鰻重で)食べるのがいい。

おかげでパワーがよみがえり、無事、後半戦を乗り切ることができた。皆さん、上野はパンダだけではありませんよ!
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東京・新橋 末げんの「かま定食」

2019年04月24日 | グルメガイド
上京中の4月9日(火)、ランチタイムに「新橋 末(すえ)げん」( 東京都港区新橋2-15-7 エスプラザビル1F)を訪ねた。自社ビルだろうか、新橋駅前の一等地に瀟洒なビルがあり、その1階に末げんがある。明治42年(1909)創業という老舗である。オープン時間の11時30分の15分ほど前に着いたが、もう行列ができていた。ぴあMOOK『東京老舗名店』(2017.9.10発行)の「一流料亭の技が光る絶品親子丼」によると、


食べ終わって出てきても、まだ行列ができていた

明治時代後期、鳥割烹の店として創業。総理大臣の原敬(はら・たかし)や歌舞伎役者の六代目菊五郎をはじめ、各界の著名人がひいきにしたほか、作家の三島由紀夫が最後の晩餐の場として選んだ店でもある。


三つ葉が上品な味を出している、漬物もうまい!「かま定食」ご飯大盛り(税込み1,300円)

伝統の味を脈々と守り続ける中で「より多くの方に料亭の味を知ってほしい」との想いから、昼の営業を開始。夜とまったく同じ素材を使い、本格派の味を手頃な価格で提供する。名物の「かま定食」は、もともとは店に来る客の運転手のために考え出された料理。


写真映え抜群!

甘めの割り下がしみ込んだひき肉ととろとろの卵、ご飯が三位一体となり、ついつい箸が止まらなくなる美味しさだ。さりげない中にも料理人の技が光る、名店の味をその舌でぜひ。


新橋駅方向に「顔より太もも。」という大胆広告!TBCではなくガールズケイリンの広告だった

かま定食1,200円のご飯大盛り(100円増し)を注文した。かまはご飯をたく「釜」の意味だろう。鶏ミンチ肉を使った「つゆだく」(ツユ多め)の親子丼で、関西人からすると、ちと甘すぎる。東京では卵焼きにも砂糖をいれるそうだから、これは文化の違いか。

向かいに腰掛けたカップルは、かま定食を1人前ずつと、からあげ単品(1,300円)を1皿注文して2人でつついていた。なるほど、これはいいアイデアだ。大ぶりのからあげは、とても美味しそう。次回はからあげ定食(1,600円)を注文したい。

ものは試し、いちど東京風の親子丼にチャレンジしてください!
※ぐるなびは、こちら
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毎年4月24日は帯解寺で「小野小町忌」/毎日新聞「やまと百寺参り」第2回

2019年04月23日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は、毎日新聞奈良版に毎週木曜日、「やまと百寺参り」を連載している。4月11日(木)付で掲載されたのは「遺徳しのぶ小野小町忌/帯解寺(奈良市)」だった。執筆されたのは同会会員の倉本尚美さん。「小野小町忌」は毎年4月24日に開催されるので、もう明日に迫っている!急いで内容を紹介すると、

日本最古の子授け安産霊場、帯解寺(おびとけでら)。本尊は木造子安地蔵菩薩半跏(はんか)像で、国の重要文化財に指定されています。平安時代の八五八年、第55代文徳天皇と染殿(そめどの)皇后がこのお地蔵さまに子授け祈願をされ、第56代清和天皇を安産されました。喜ばれた天皇・皇后は伽藍(がらん)を整え、寺号を「無事腹帯が解けたお寺」として、帯解寺と名づけられました。

毎年4月24日、寺では小野小町(おののこまち)忌(き)が営まれます。平安時代の歌人・小野小町をしのぶ法要です。江戸時代の『南都名所集』巻8には、同寺が掲載されている絵の中に「小町之宮」が紹介されています。現在ではその推定地(寺南側の駐車場)に小町之宮が建立され、小野小町像が安置されています。

当日は14時から小町之宮の前で、一山の僧侶が出仕し法要が営まれます。法要のあと日本舞踊坂本流の名取・坂本晴千翠(はるせんすい)さんが「七小町の舞」の舞踊を本堂南側回廊で披露されます。春の陽気に包まれた一日、小野小町に思いをはせてはいかがでしょう。(奈良まほろばソムリエの会 倉本尚美)

(宗派)華厳宗(住所)奈良市今市町734(電話)0742・61・3861(交通)JR帯解駅から徒歩約5分、またはJR・近鉄奈良駅からバス「下山」下車、徒歩約10分(拝観)400円・秘仏公開中は500円(駐車場)有り(無料)


坂本晴千翠さんの「七小町の舞」とは、どんな舞踊なのだろう。ぜひ、明日は帯解寺にお参りください!

コメント (2)
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奈良のうまいもの会「認定プレミアム商品審査会」(第3回)/奈良新聞「明風清音」第16回

2019年04月22日 | 明風清音(奈良新聞)
奈良新聞「明風清音」欄に月1回程度、寄稿している。先月(3/20)掲載されたのは奈良のうまいもの会の「第3回 認定プレミアム商品審査会」(2/27開催)の話だった。良い商品が多すぎて過去の2回も審査が難航したが、今回はトップ3が甲乙つけがたく、同率1位となった。これは今回が初めてである。では記事全文を紹介する。

一般社団法人奈良のうまいもの会(代表理事 堂土健一さん)のことは昨年7月18に本欄で紹介した。県農林部の「奈良のうまいものづくり」事業からスピンアウトした団体で、平成23年に発足。食に関連した業者や農家など89社が加盟。JR奈良駅構内に「奈良のうまいものプラザ」、近鉄百貨店奈良店に「大和情熱野菜」を出店されている。

この団体では2年ごとに、「認定プレミアム商品審査会」を行い、会員の商品の中から3点(1~3位)のプレミアム商品を認定している。27年1月26日に開催された第1回では1位から順に「古代ひしお」「柿の葉茶」(ペット飲料)「ヤマトポークの特製酢豚」、29年2月8日の第2回では「吉野の葛餅」「柿もなか」「奈良のさくらちいず」(チーズケーキ)が認定された。

その第3回が今年2月27日に奈良市内で開催された。今回はこれまでとは方式が変わり、会員の取り扱う7つの食材を指定し、これを別の会員が料理に仕立てる、という趣向になった。審査員は11人で、私もその1人だった。

指定された食材は「奈良産レモングラス(レモン香のハーブ)」「明日香きくらげ」「ばあく豚肩ロース」「古代米(赤米、黒米、緑米)」「大和麩、竹炭麩」「葛城とうふ」「白味噌万葉小町」で、このうち1点を使って計10種類の料理が考案された。審査の基準は「奈良らしさ」「味」などのほかに、今回から「プレゼンテーション」も評価対象になった。これは前回に私が提案したもので、奥ゆかしい奈良県民はプレゼンが苦手なのだ。

2時間以上のプレゼンと試食のあと、別室で審査が行われた。単純合計で断トツの上位3点が決まった。しかし3点にはほとんど差がなかったので、同率1位とした。ユニークな料理が多かったので、審査員特別賞も選ぶことにしたが、こちらはなかなか決まらず、最後に全員で採決した。では結果をお知らせする。名前はいずれも、私が仮につけた。プレミアム認定商品に選ばれた3点(同率1位・エントリー番号順)は

▽「明日香きくらげを使った前菜」(食材はアスカグリーンファーム、調理は農家酒場どはってん)。栄養満点の明日香きくらげは、独特の食感がいい。白きくらげを梅酢につけてピンクに染め、パラの花のようにかたどって出てきたときはワクワクした。



▽「古代米を皮に使ったシューマイ」(明日香村地域振興公社、べっぴん奈良漬)。皮のプチプチ感が楽しい。肉汁やうま味が封じ込められているので、口の中でしみ出してきた時には感動する。



▽「古代米のおこげをトッピングした豆乳スープのにゅうめん」(明日香村地域振興公社、池利三輪素麺茶屋千寿亭)。とても完成度の高い上品な料理で、会席料理の締めにも使えそうだ。
そして審査員特別賞は



▽「白味噌万葉小町を使ったショートケーキとフロランタン(焼き菓子)」(井上本店、そらみる)。無添加の辛口白味噌が良いアクセントになっている。ほのかに味噌味がするケーキも、香ばしいフロランタンも、まさに奈良の味。



レベルの高い品々が出てきて、とても充実した審査会となった。うまいもの会さん、これからも「奈良のうまいもの」をどんどん全国に広めていってください!


奈良のうまいもの会には、農畜産業者、加工業者、流通業者、レストラン・土産物店から印刷業者まで、多種多様な事業者が入会していて、この会だけで「奈良のうまいもの」に関わる全ての事業ができる仕組みになっている。そんな人たちが毎月のように集まってアイデアを出し合っているのだ。今後ますますのご発展をお祈りいたします!

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全国町並み保存連盟、初の「関西ブロック大会」を橿原市今井町で開催!/奈良日日新聞「奈良ものろーぐ」第36回

2019年04月21日 | 奈良ものろーぐ(奈良日日新聞)
2019年4月26日(金)で休刊する「週刊奈良日日新聞」。私の連載も、この日が最後の掲載となる。それはまた後日紹介させていただくとして、今日は先月(3/29付)掲載された「全国町並み保存連盟/今井町で初の関西大会」を紹介する。
※トップ写真は、3月3日(日)に開催された御所まちウォーク(御所御坊・圓照寺)で

全国町並み保存連盟は45年前に結成された全国規模の団体で、橿原市の「今井町を保存する会」など3つの住民団体で結成された。年を追うごとに規模が大きくなり、最近は各地区ごとにブロック大会が開催されている。その「第1回関西ブロック大会」が3月2日(土)、今井町で開催された。翌3日(日)には重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)をめざす御所まちを歩いた。では記事全文を紹介する。


今井町町並み保存会会長・若林稔さんの冒頭ご挨拶

全国町並み保存連盟は、歴史的な集落や町並みにより、歴史を活かしたまちづくりに取り組む団体と、 それら団体を支援する個人によって構成される全国的規模のNPOだ。昭和49年(1974)に「今井町を保存する会」(橿原市)の呼びかけで「有松(ありまつ)まちづくりの会」(名古屋市有松)「妻籠(つまご)を愛する会」(長野県南木曽町) の3つの住民団体が集まって結成された。

その今井町で、今年3月2日~3日、同連盟の「第1回関西ブロック大会」が開催された。テーマは「関西の町並みを考える会~刻(とき)を越え奈良今井町を歩く~」。全国から約70人、地元からは約30人が参加した。



奈良まちづくりセンター理事長・二十軒起夫さんの活動紹介

2日午前は今井町の町歩き、午後は関西各地の団体からの活動報告とシンポジウムがあった。活動報告では、今井町町並み保存会会長の若林稔さんの「活動のおかげで今井小学校は児童数が増えているし、今井町では空き家が減っている」という話に、参加者の皆さんからは驚きの声が上がっていた。ほかにも県内からは奈良まちづくりセンター、今井まちなみネットワーク、五條新町、ごせまちネットワークなどの活動が紹介された。

シンポジウムで私は初めて「重要文化的景観」(文化庁)を知った。文化財保護法には「地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの」とある。

重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)はモノ(建物や町並み)が中心だが、こちらは住民の生活、仕事や文化と結びついた景観(棚田や里山など)が対象になる。今年2月時点で64件が認定されていて、奈良県からは「奥飛鳥の文化的景観」(稲渕や栢森など)が選定されている。奈良県の奥深い魅力を発掘し保護するのに使えそうな制度である。



若林さんの活動紹介

3日は午後からNPO法人ごせまちネットワーク・創の楠孝夫さんをメインガイドに御所まちを歩いた。楠さんは2日にも重伝建に向けた取り組みを話されていて、3月16日には「御所まち町並み調査中間報告会」を開催するなど、調査がここまで進んでいることも初めて知った。


3月3日にメインガイドをお務めになったごせまちネットワーク・創の楠孝夫さん

御所まちは奈良検定の「体験学習プログラム」(1級受験時の要件)に入っていて、奈良まほろばソムリエの会が案内し、私も毎年訪ねている。ガイドが変われば目のつけどころが変わる。楠さんのガイドはとても分かりやすくて面白い。これはソムリエの会のガイドにも取り入れることにしたい。



それにしても充実した2日間だった。若林会長は「関西で初の開催であり、連盟に未加盟だが関心のある方にまで参加者の範囲を広げるなど大変苦労したが、昭和49年に連盟を立ち上げた今井町で、再び多くの皆さんの力を結集して関西ブロック大会を終えることができ、本当に嬉しい」と話しておられた。

ひと口に「歴史を活かしたまちづくり」と言っても、活動は地味だし住民の合意をとりつけることも一筋縄ではいかない。皆さん、これからも粘り強い活動を期待しています!


今回は初の関西ブロック大会ということで、部外者である私にまでお声かけいただき、おかげさまで全国の町並み保存運動の様子や、御所まちの取り組みを知ることができた。若林さん、ありがとうございました!

コメント (2)
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