鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

ホームセンターにあるペットコーナーのこと

2010年01月07日 00時28分10秒 | 随筆或いはエッセイ
ホームセンターの商品チェックは定期的にしたいものだなぁ・・・と、行くたびに思う。今ひとつだなぁ・・と思っていた製品が見事に進化して並んでいたり、今までの値段以下なのにむしろ良いものになって割安感がぐっと増していたり、全くの新企画商品が出ていたりで興味が尽きない。長い時間をかけて一回りして、悩んだ末に少しだけ買物をして気分は一杯になる。そうして最後の目の保養にペットコーナーに行くのが楽しみなのだ。今日はミドリガメや、何とかニオイガメや、何とかスッポンモドキというのをしばらく観て楽しんだ。

売場係員がワキン(和金:金魚すくいに利用される最安価な金魚)を無雑作にタモですくってマナマズの水槽に入れた。売り物のワキンだけれど餌なのだろう。その水槽の前に行って観察した。土管の中にいるナマズは出そうになっては戻るのを繰り返し、あくびのように大口を開けてみたりする。あまり立ち止まって一箇所にいるのも不自然なので、視線はそのまま外さないようにして左右に数メートル動いたりしながら観察した。金魚は隅の方でじっとしているかと思えば、不用意にもナマズの前をさりげなく横切ったりもするが、ナマズの食欲を刺激しなかったのか10分余りの間に修羅場の展開はなかった。

場所を移動して大水槽の前に差し掛かったら、いきなりロングノーズガーがヒメダカを捕まえたばかりの様子で口に咥えていた。ガーというのはガビアルなんかの細長い口を持つワニにそっくりの口を持つ魚だ。細長い口にギザギザの歯だ。あれに咥えられては、もう逃げられない。徐々に徐々に咥えなおしてヒメダカの頭を自分の方に向け、ノドの方に移動させてツルリと飲み込んだ。

見れば10匹ほどヒメダカが入れられていた。ガーは水面近くを遊泳していて、ヒメダカが底の方から浮上してくるとスーッと寄っていく。捕まえるのは一瞬の早業だ。静かに近づいて長い鼻先を一閃させると、逃さず咥えている。ガーの尻尾はシーラカンスのような菱形で古代魚風だ。15センチ余りだが悠然とした泳ぎ方をする。メダカは上目使いで水面近くの危険は察知しやすいように思うのだが、観ているあいだに次々に3匹捕まってしまった。ガーは見始めの咥えていたのを入れてヒメダカ4匹をペロリと呑みこんだ。

ロングノーズガーは1匹4,680円。ヒメダカは1匹35円で10匹なら200円だ。ペットとしての生き物とペットの餌としての生き物が同じ場所に展示販売されている。ガーは4匹のメダカを食ったから4,680+140=4,820円の値打ちになった。値札は変わらないけれど。さて、どの位の期間展示していたら採算割れになるのだろう。人寄せ効果もあるし・・・などと考える。私は決してロングノーズガーを買うことはないだろうけれど、少なくとも私という薄いサイフの小口客をホームセンターに引き寄せる効果はある。この次行く時に、マナマズもロングノーズガーも売れ残っているかどうか、一番奥に設置されたペットコーナーに必ず見にいくと思う。だからどうした・・・と言われそうな何ということもない話。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする