これでもガード下なのである。もしかしたら日本一低いガード下通路かも知れない。通る人は腰を曲げてそそくさと通り抜ける。自転車の人は降りて頭を下げ、押して通る。茶室のにじり口ほどではないけれど、皆が平身低頭して通る。通っている時に電車が通過したら、かなり恐怖感があるだろう。
中にはふんぞり返って、リンボーダンス風に通る人も居るかも知れない。中学生あたりならやりそうだ。通り過ぎてカメラを取り出しているときに、高校生くらいの男子が自転車でやってきて、降りもせずに身を低くしての走行通り抜けをやってみせた。カメラを構える前だったから撮り損ねたのが残念。
『上空注意』ときたもんだ。普通に考えたら『頭上注意』だろう。頭上から何かが落ちてくるということより、頭をぶつけてしまわないようにと注意を喚起するのは、どのように言うべきなのだろう。『頭注意』と考えたのだろうけれど、意味がはぐれてしまいそうで、頭をひねった挙句が、『上空注意』になったものと思われる。
自分が巨人になったような、ガリバーのような気分を一瞬だけでも味わいたい人にはお勧めのスポットかも知れない。巨人と言えば読売ジャイアンツではなく、『進撃の巨人』という漫画がえらい人気だそうだ。こんな珍妙なガード下生活道路があるのは、私鉄だからか。