鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

琵琶湖のテナガエビ(2)

2008年10月19日 11時29分15秒 | 随筆或いはエッセイ
持ち帰ってから丸3日経とうとしているが全員健在だ。じっとしている時を見計らって数えたら29匹。小さいやつほど身体が透明で、ハサミさえ見えない。頭より前にハサミがあるテナガのテナガたる個体になるとなかなかに姿がかっこいい。ゴールキーパーやらしたら・・・などとマンガ的空想も湧く。

片手しか無いものもいる。一番大きいやつにいたっては両腕がない。しかしよく見ると小さい腕が生えてるから再生はいくらでもするのだろう。手が長くないから別の種類のも混じっているのか?とも思ったが、身体全体の格好が特徴的に皆同じだから皆テナガエビに間違いない。ウチにいるヤマトヌマエビとミナミヌマエビと比較すると、首の形が独特だ。鎌首をもたげたという感じに角度を付けて首が上にあり、目玉が左右に飛び出していて、何だかプライドが高そうに見える。

食べてしまうのは先延ばしにして、またいろいろと試してみたくなる。先ず一番小さい2匹をハゼの中に入れてみた。このハゼはたぶんヨシノボリだと思われる。以前は吸盤がなさそうに見えたのでカジカだと思い、お七と名付けたのだが、吸盤を使って今はたいていプラケースの壁に貼りついて上を見ているので、名前も変えようかと思う。ハゼなら直美か星周か。雌雄が判ってからだ。

で、ハゼにエビを御馳走したつもりなのに駄目なのである。二日経っても健在だ。入れた当初は勢い込んで突進していったけれど、テナガエビの髯や突き出た目玉が邪魔なのか、くわえられないのだ。それにエビというのは後方に飛び退く時は異常に速い。前進泳ぎだって相当速いが、後退は泳ぎではなく全くの瞬間移動。エビの方が成長してハゼを襲う日がくるのかどうか見守りたい。

飼い始めて3ヶ月程になるヘビトンボの幼虫のプラケース水槽に入れてみた。ここも小さいのを2匹。これも丸1日以上経つが健在だ。ヘビトンボの幼虫は同居させると何でも食ってしまうというような記述を読んだが、そんな事もなさそうな気がしている。ヒメダカを3匹入れたのだが1匹だけは半分に千切られて食われた。あとの2匹は素早いのかもう2ヶ月くらい健在で成長さえしている。サカマキガイはたまに食うのか、5mm位の空殻が何個か底に転がっている。

イトトンボのヤゴも4匹入っているのだが、襲われて逃げ回ったのか尻尾の鰓が1枚無くなっていたり3枚共なくなっていたりするが生きている。もう緑から黒っぽくなってきて背中の羽も天使の羽みたいに目だってきたから全員羽化も間近だ。尾鰓のなくなったイトトンボのヤゴは猛烈な尻振りでようやく泳いでいるが、何倍もの労力を使っても健常時の半分のスピードもでない。それでもヘビトンボに食われず羽化しそうな様子だ。トンボの成虫は鰓がないわけだから、無事満足な身体に変態するのだろうか。ウチのヘビトンボの幼虫はものぐさでのろい。石につかまってひっくり返っているから死んだのかと思えば生きているし、たぶんずっとテナガエビは食われることはないだろう。


ヤゴだけを入れた水槽にも2匹入れた。ここからは何匹かイトトンボが羽化していった。今は他所で獲ってきたコオニヤンマとハグロトンボのヤゴが入っている。コオニヤンマのヤゴはそこそこ大きいからエビを食うかも知れない。でも丸呑みするのにエビは不都合な身体つきだから、ここでもテナガエビは生きのびて、逆にヤゴを襲うことになるのかも知れない。  (つづく)

コメント (8)
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