エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

田の土手に美しい雑草

2006-10-03 | 自然観察
 今朝も犬と散歩に出た。刈り取りの終えた田に昨夜来の雨水がたまり、アキアカネが連結して打産卵を繰り返していた。静かにコオロギが鳴く畦を進むと、無数のバッタが飛び跳ねる。そして、畦の土手に生える花の色がすばらしく、その色合いの美しさに目を見張った。
 コントラストが実にきれいだ。赤いイヌタデ、ツユクサの青、ミチバタガラシの黄色、咲き始めた橙色のアメリカセンダングサと、まるで寄せ植え野草の盆栽の世界だ。
 両手の平ほどの畦道に、実に沢山の野草が生えていてあらためて驚かされた。
 この狭い畦に、仲良く、整然と、活き活き共生する草々は、シロツメクサ、ヒメクグ、ミソソバ、ヒメジソ、スギナ、キンエノコロ、メシヒバ、カキドオシ、カタバミと、確認できただけでも10種を超えた。雨に洗われた小さな自然の美しさにしばし見入った。
 最近では土の道が少なくなった。ほとんどがアスファルトの街中だが、我が家から市道までは市内では珍しい舗装なしの砂利道、路傍の雑草がこころの安らぎだ。
 最近、その道に子どもたちがしばしばカマキリ採りに来ている。この道の草むらには、小さな秋の虫が精一杯に生きている。貴重な土の道を思った。