エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

奥日光の紅葉を楽しむ

2006-10-14 | 旅行
 昨日、思い立って奥日光へ出かけた。前日にネットで宿を取った。紅葉のこの時期、奥日光はどこの旅館もほとんど満室だったが、偶然「湯守釜屋」へ宿泊予約が取れた。
 昼12時、出発、国道121号で田島へ。道の駅田島で、昼食、山菜蕎麦を食べる。
 五十里湖から、川俣温泉を経て山王峠越えで日光へ行くことにした。
 紅葉は、田島あたりはそろそろ始まり、山王峠付近はちょうど見頃であった。4時過ぎ戦場ヶ原3本松に寄り、展望台から広々した戦場ヶ原の草紅葉を眺めた。山の頂を覆う雲の切れ目から、日没前の秋の陽の光線が空一杯に散乱していた。
 宿に入り、すぐにかけ流しの温泉に浸かった。乳白色のすばらしい温泉(硫化水素泉)で、これまでに入った3本の指に入る良い湯だった。夕食を美味しく、つい調子に乗りすぎたようだ。最近体調も良くなり、また飲み始めたが注意!注意!、それが原因ではないだろうが、もう一度温泉に入ったころから様子がおかしくなった。ほどなく寒気がし始め急に発熱、体温計はなかったが、多分38℃を超えていたと思われる。いつもの手術後の炎症によるものかも知れないと、常備薬を飲んで、上掛けをもう一枚重ねふるえていた。妻に、濡れ手ぬぐいを替え続けて介護してもらったが、良くない。いよいよ仕方なく、フロントに氷枕をお願いした。12時を廻っていたが、旅館の方がすぐに持ってきてくれた。その対応はとても感じが良く有難いと思った。
 このまま入院になるのではとか、息子、娘に迎えに来てもらい帰るしかないかなどと思った。大手術から3年が経って、今が一番調子が良かったが、ちょうど1ヶ月前に半年ぶりに発熱、約3週間苦しんだ。ようやく良くなり落ち着いたと思っていたら、先週また発熱。微熱ですぐに治まったが、また同じかと思い覚悟を決めた。
ところが翌朝、奇跡的?に熱は下がった。お腹が空いて、朝食も腹8分目食べることができた。朝食会場では私の大好きなアルビノーニのアダージョが静かに流れていた。神様が付いていてくれたと思った。熱が下がり、気をつけながら計画通り奥日光の紅葉を楽しむことにした。
 湯の湖畔を散策して、日光湯元ビジターセンターを訪ねた後、戦場ヶ原へ向かった。
【男体山:小田代が原より】

                                    【小田代ヶ原の草紅葉】












【西の湖までのシラカバ林】


赤沼から小田代ヶ原まで、約1時間、カラマツ、ズミ、ミズナラの紅葉の林の中を、すがすがしい気持ちで歩いた。小田代ヶ原は鹿の食害から生態系を守るため、電気柵で囲まれていて驚いた。原の向こうには太郎山、男体山が聳え、ジュウタンを敷き詰めたような草紅葉が本当に美しかった。草紅葉の赤い模様はホザキシモツケのようだ。
小田代ヶ原脇の林道に出て、低公害バスで西の湖へ寄ることにした。西の湖入り口で下車、約1キロのシラカバや樹齢千年を超えるミズナラの林を抜けると静かな湖がひっそりと佇んでいた。途中の中禅寺湖へ注ぐ清流沿いの紅葉はたとえようもなく美しかった。
 竜頭の滝では、滝に沿って整備された遊歩道を、上流から売店のある下流まで、滝の流れに映えるすばらしい紅葉を堪能できた。
 中禅寺湖畔の日光自然博物館で遅い昼食を取り、館内をゆっくり見た。日光のすばらしい自然、文化を改めて知ることができた。
 いろは坂を下り、今市から会津西街道を会津若松へ急いだ。今回は紅葉が目的だったが、来年は、蝶、トンボなど虫たちや高山植物を楽しみに、夏に訪れたいと思う。
 今回の小旅行では、助からない命を長らえ、この秋の美しい錦にふれ本当に幸せを感じることができた。反省をもとに、いつも医者に何時も言われていること、「身体を動かすこと」「食べ過ぎに注意すること」を守って、おだやかに大切な日々を過ごしたいと思っている。

【竜頭の滝】