エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

ヨウシュヤマゴボウで染める

2006-10-04 | 日々の生活


ヨウシュヤマゴボウの実が熟した。
鳥が運んできたのだろう。今年初めて門柱をでた路傍に芽を出し、みるみる間に成長した。8月はじめ花が咲き、実を付けた。みどりの果実はやがて色づき、今、黒紫色に熟し見事だ。
 一度この果汁で絵を描いてみたいと思っていた。一房採ってきて紙の上でつぶしたら、鮮やかな紫色に染まった。いくつもつぶしてみたが、それぞれに黒いつやのある堅い種が出てきた。数えると、いずれも10個の種が入っていた。
 水で薄めると紫というよりピンクで、茎の色と同じ。色からして、とりあえず一房のヨウシュヤマゴボウを描き、染めてみた。
北アメリカ原産の帰化植物、多年草。何となく雰囲気でそう思えたが、ヨウシュヤマゴボウは有毒植物で有毒成分は,トリテルペノイドサポニン。若葉など食べると軽度の中毒症状が出るそうだ。根も有毒だが、果実は無毒で、鳥が運ぶのもうなずける。
 ツユクサの汁を友禅染の下絵に使っているが、量的にもこのヤマゴボウの染料は使えると思った。酢に入れてみたら若干濁ったので、色素成分は塩基性かも知れない。おそらく光の堅牢性もないだろう。アメリカでは「インクベリー」と呼ばれ、赤インクに使われたようだ。
きれいに紅葉するらしい。しばらく観察してみたい。