エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

モネを鑑賞する

2007-04-16 | 文芸
         【モネの「カササギ」1869/89x130/オルセー美術館】

 いつもブログ「いづつやの文化記号」(http://izucul.cocolog-nifty.com/balance/)を楽しんでいる。今日は、タイトル《モネ大回顧展のサプライズ! その一 まばゆい光》と題して、六本木の国立新美術館で4/7からはじまった“モネ大回顧展”を紹介されていた。

 いづつやさんは【200%感激度】のモネ作品を3点を紹介されていた。
 ”かささぎ”と“ヴァランジュヴィルの漁師小屋”それに“積みわら:夏の終わり、朝”だ。
 これまで「睡蓮」や「ルーアン大聖堂」の連作や「散歩:日傘をさす女」はよく見かていたが、ここの3点は良く鑑賞したことがなかった。
 ○”かささぎ”は今回初めて見る作品だった。上野の西洋美術館にはモネの「雪のアルジャントウイユ」が常設展示されているが、雪の風景画は意外に少ないと思う。モネは雪の風景にも光の効果を追求した。この雪の風景を新鮮な気持ちで見た。張りつめた寒さの中、朝日の射す雪に凛とした影を落とす木々が本当にいいと思った。さわやかでこころ動かされた。
 ○「積みわら」については、いづつやさんは「積みわらにまぶしく日が差す描写が心を打つ。モネは光があたる明るいところをキラキラさせたり、うしろにのびる影にうすいピンクをまじらせたり、光の拡散効果を描くため、積みわらの周辺をぼかすなど光を実に丹念にとらえている。」と書かれた。調べてみたら、モネは光の効果によってこの積藁が印象を変えていく様子を捉えたいと24点を描いたという。

 我が家の美術関連の蔵書は 「現代世界の美術」全21巻(集英社刊)で、「その1」がモネだ。 第6回配本で60年8月2日とある。その画集の帯びには、「時を刻む自然の光の瞬間性を画布に捉え、同時に永続性をも表現する、風景がモネ」とモネの紹介があった。もう身近に20数年間も存在しながらほとんど開けられなかった全集でモネを鑑賞した。
美術全集で、彼は「光の変化は限りなく多様で、そのモチーフは瞬間性においてしか存在しなくなってしまう。」「私が探している”瞬間性”を手に入れようとすると、あまりの難かしさに絶望してしまう」と言っている。また、「私にとって風景とは、空気と光に包み込まれたものとして、永続的に変化しつつ生きているのです。」 と言っている。
また、「モネは実際に日本風の庭園に睡蓮を浮かべた池を作り、「睡蓮」の連作に没頭した。」とあった。昨年、西洋美術館で大きな「睡蓮」を鑑賞したが、ここでも、やはり時とともに変化する池の様子、水面の反映と花の美しさを捉えようとしたことを理解できた。。

 「光の画家」クロード・モネの絵は明るくて美しいと思う。そのうち、大原美術館やポーラ美術館へも行ってみたいと思っている。しばらく、好きな画家の人生をもう一度学んでみたい。
 いづつやさんのブログはそんな美術への興味・関心を時々呼び起こしてくれる。
 モネ大回顧展の続編を楽しみにしたい。