エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

庭に芽吹くいのち

2007-04-18 | 自然観察
              《部屋で咲いたチョウジザクラ》 

 数日前に、待ちきれずにチョウジザクラの枝を手折って家に入れた。翌日にはピンクのつぼみは開き、今満開、同時に芽吹いた黄緑の葉がきれいだ。庭のソメイヨシノは数日かかりそうだ。その根元にあるボケの開花は大分遅いのか、まだつぼみは青く堅い。

今朝は、寒いが穏やかな春の薄日が射している。丹念に庭の緑を巡りいのちの始まりを静かに見つめた。

 ウメとジンチョウゲの甘い香りが庭中に漂っている。それだけで爽やかな春を感じる。




 モミジやカエデも赤い手のひらが開き始めその芽吹きも趣がある。ベニカナメモチの鮮やかな真っ赤な新芽が空に伸びている。


 厳しい冬を越したかと気になっていたウスバサイシンを見つけた。もう小さな地味な花を付けていた。我が青春の思い出の花だ。かつてヒメギフチョウを飼育観察した独鈷山(信州上田市)での思い出が浮かんできた。


 昨年苗を植えたタラの芽も芽吹き、その下でアオキの雄花がきれいに咲いていた。これは雌雄異株で、横の一回りつぼみの大きい雌花もじき咲き出すだろう。




 

 これも昨年鉢植えを地に下ろしたシュンランがツツジの根元に咲いていた。
 ユキヤナギも一枝、二枝と、白い星のように輝いていた。きれいだ。

 いますべてのいのちの鼓動が聞こえるようだ。落ち葉を手でよけると、スズランやシオンの堅い芽が並んでいた。誰が教えるでもなくこうして季節が巡りマイペースで花を咲かせる。

この庭は私の救いだ。一年間、この救いの庭で恵まれた小さな自然を見つめて過ごしていきたい。

 昨日の夜は冷えた。最低気温が氷点下との予報に驚き、最近表に出した鉢類をすべて家の中に取り込んだ。冷え込みはさほどではなかったが、近くの山は雪だったようだ。
朝のうちにまた庭に出したが、今夜も取り込むことになるかも知れない。