エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

花の散り始めるサクラ

2007-04-23 | 日々の生活
            《雨に散ったウメの花びら》


庭のソメイヨシノが満開だ。町内の八幡神社は花びらがはらはらと散り急いでいる。花の散り始めるサクラの枝が、淡いみどりに爽やかでとても美しい。この時期の桜並木の風情が好きだ。

「あわれ花びら流れ おみなごに花びら流れ・・・」
 達治の詩「甃のうえ」の情景が目に浮かんでくる。

 昨夜来の雨に濡れた庭の土の上に、盛りを過ぎたうめの花びらがうっすらと積もっていた。まるで雪のように美しい。そして今の時期、散る花びらに時の流れを重ね無常を覚えている。


甃のうへ』    三好達治

  あわれ花びらながれ
  をみなごに花びらながれ
  をみなごしめやかに語らひあゆみ
  うららかの跫音空にながれ
  をりふしに瞳をあげて
  翳りなきみ寺の春をすぎゆくなり
  み寺の甍みどりにうるほひ
  廂々に
  風鐸のすがたしづかなれば
  ひとりなる
  わが身の影をあゆまする甃のうへ