エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

スズメの番

2007-04-09 | 自然観察
アカゲラの開けし巣穴をスズメ借り


先日、庭の枯れたらしい枝垂れ柳の木にアカゲラが来ていた。
いつの間にかまん丸な立派な巣穴ができていた。 今日、その巣穴にスズメの番が出入りしていた。

 
拙ブログ3/23「犯人はアカゲラ」)

スズメは、普通は屋根と雨樋のすき間などにワラや枯れ草で巣を作るのだろうが、こんなところを巣にするのだろうか。我が家では、2階の雨戸を収納するところにスズメが巣を作ってしまい、何年も雨戸を閉めていない。この冬も閉めようとしたがワラが詰まって、雨戸が動かなくなってしまった。巣を取ってしまってもかわいそうなので、そのままにしてある。今も時々出入りしているようで、窓を開けると飛び立つことがある。

 アカゲラの開けた穴は結構広いようだ。中に入っては木くずを出しているようだった。
何か巣材は使わないのだろうか。しばらく見守ってみたい。 もし巣にするようだったら、おあつらえ向きに2階の窓から丸見えだ。じっくり観察もできそうだ。ここで子育てをしろよと告げてやった。

 

上野不忍池   検診旅行 2日目

2007-04-07 | 旅行
朝7時のバスで病院へ、診察前の採血の待合室はすでに20人くらいが待っていた。
 いつも病院で思うことは、良くここまで健康を取り戻せたこと。健康に気をつけて1日1日を大切にと。3ヶ月に1度の大学病院通いもいつしか4年目に入った。
数日前にいつもの炎症で発熱したばかりだったせいか、一部異常な数値もあった。

 【満開のナシの花】
いつもより早く診察がすんだので、大学病院から伊勢原駅まで街中に春を感じながら歩いた。ちょうどナシの花が満開だった。健康で歩ける幸せをしみじみ感じた。手術前何回か訪れた図書館に寄ってみた。そのときと変わらない静けさの中で当時の辛かった頃を思い出し、いのち長らえた今を思った。



バス時間まで上野界隈へ桜を楽しみに行くことにした。「敬天愛人」西郷さんの銅像にはもう半世紀ぶりの再会だった。満開の桜の中を清水観音堂から不忍池へ下りた。弁天堂の池の畔でのんびりした。かつてこんなにのんびりしたことがあったろうか。
 【清水観音堂前のヤエベニシダレ】
  
 

 キンクロハジロ、オナガガモ、ユリカモメ、マガモなどが待ちわびた春の陽に実にのどかだった。いつまでも桜に囲まれる水面を見つめていたかった。
 「上野公園桜マップ」には公園の桜がリストアップされていた。公園内の50数種類の桜の分布図が載っている立派な素晴らしい資料だ。ソメイヨシノに混ざり、センリコウ、シロタエ、オオシマザクラなどの白花、八重や枝垂れなどそれぞれに青空に美しく映えていた。帰りに、孫へのお土産を探しながら活気あふれるアメ横の雰囲気を楽しんだ。
 
 3時前の高速バスで帰路についた。
 今回は今までになくとても疲れた。戻ってからまた熱を出してしまった。いつものようにHが並んだ検査結果でがっかりしたが、一喜一憂せずに、これ以上悪くならないように日々気をつけていくしかない。
次回の診察の予約は8月、CT検査もある。それにしても月日の流れは恐ろしいくらいに速いと感じている。ゆっくりばかりはしていられない。(2007.4.5)



「志野と織部」 検診旅行 1日目

2007-04-06 | 旅行
              【皇居外苑・満開の桜】
     
 今朝も麗しの磐梯、朝日に稜線がくっきりと美しい。連なる雄国の山並みに続いて、遙かに堂々と飯豊が見える。毎日が麗しい会津盆地の朝の始まりだ。
 早朝の高速バスで今年初めての大学病院での検診を受けに上京した。
東京に近づくにつれ、沿線に桜が目立つようになっていった。街中にも、ビルの間の公園、路地の街路樹、河川の畔と、実に桜が多いことに気づいた。

前泊の今日は丸の内の出光美術館と皇居周辺の観光を計画した。昼は美味しいお弁当を食べることにした。地下街の食品売り場には色とりどりの食べるのがもったいないほどの美味しそうなお弁当の数々が並んでいた。
 東京の天気予報は「曇りのち午後雨」皇居外苑の満開の桜のもと、ベンチでお弁当を広げた。風が冷たく体感温度もかなり低く、お花見と言った気分ではなかった。でも時折雲間からこぼれる陽がとても暖かく感じられた。
 都会のスズメが人なつっこく寄ってきた。ごはんをあげると先を争って群れになって集まってきた。
 皇居の広場の松林は広々してすがすがしいく、内堀の石垣に桜が美しく咲いていた。もう50年も前に確かに訪れた懐かしの二重橋前で写真を撮った。いろいろな国からの観光客が多くて驚いた。

 楽しみにしていた出光記念館では「志野と織部 風流なうつわ」の展示が行われていた。昨年の春は、同じ出光記念館で「風俗画による日本の暮らし-平安から江戸-」を鑑賞したことを思い出した。(拙ブログ3/12)
 今回「志野と織部」についてあらためて学ぶことができた。本格的「白いうつわ」の獲得である志野焼は美濃の鉄分の少ない白い土に長石釉素朴な白釉陶器で、形がいかにも手捻りの、均整の取れたものでない人間味を感じる。志野や織部の不均斉の造形は魅力の一つだ。わざとらしいのは嫌だが、歪んだ美が何とも言えず美しいと感じている。

【志野茶碗 銘 橋姫 桃山時代】
 今回「国宝 志野茶碗 銘 卯花墻」が展示されていたが、5,6年前に郡山市立美術館で桃山陶芸と魯山人展」の際にも展示されていた。今回は2度目の再会、やはり国宝と聞くといい物に見える。
 また、もう20年以上前に多治見に織部を訪ねたことがあった。そのとき買い求めた志野と織部のぐい呑みをずっと愛用していた。織部の緑が何とも言えずいい。この緑の釉は中国華南三彩をモデルとしたようだ。多治見の陶磁器の資料館へ行ったのは多分秋だったような気がする。窯跡を散策した時、まさか桃山のものでないだろうが、落ち葉の下に古い陶片がいくつもころがっていた。釉がけ前の素焼き段階のものだった。
 一般に織部というと銅緑釉を掛けた焼き物と思われているが、古田織部の指導で登り窯で焼かれたものを総じて織部焼とよぶ。織部黒は瀬戸黒に大胆な歪みを加えた、奇抜で傾いた意匠を描いた茶碗である。志野と織部の造形の核には「風流の精神」が流れていると説明されていた。いずれにしても文様意匠や器形の上でもこれまでの日本の焼き物の枠を打ち破る大きな変革であった。

 美術館のラウンジからは皇居の森が見下ろせた。鑑賞の余韻に浸りながら、大都会の素晴らしい眺めを十分に楽しんだ。
 新宿からは小田急で病院のある伊勢原へ向かった。黒い雲が覆い、車窓に雨が打ち付けた。今日は多分、10キロくらいは歩いたと思う。多少疲れた。
 ホテルのテレビニュースで、千鳥ヶ淵の桜にみぞれ混じりの雪の光景が放映されていた。冬へ逆戻りしたようで、この時期にしては本当に寒かった。 (2007.4/4)

 【満開の桜・東京駅】

満1才

2007-04-03 | 日々の生活
           《盆栽のイワカガミ》

  また明日と静かに過ぎし満一歳

 生まれ変り、新しい人生を誓ってから1年、今日は、あらたまって心に染みる誕生日だ。
新しい気持ちで庭の芽吹きをしみじみ眺めた。いつの間にか庭で増え続けたチオノドグサが青色のつぼみを続々出している。白い雪割草は満開、真っ赤な小さいつぼみがかわいい。キクザキイチゲ、エンゴサクが咲き始め、寄せ植えのコイワカガミも咲いている。 いつまで眺めても飽きない小さないのちとの語らいだ。

《咲き始めた山野草》
 
 雪割草                       エゾエンゴサク
      
キクザキイチゲ

 61年前の私の生誕に、両親の思いは如何ばかりであったろうか。また、子どもたちが生まれた日のことなどを断片的に思い返しながら寝床でまどろんでいた。
春眠暁を覚えずか、そう眠いわけではないが、春曇りの天候のせいか、あるいは昨日のタイヤ交換等久々に身体を動かしたためかもしれない、何か身体が動かない。情けない話だ。早起きはできるが、なかなか早寝ができない日常がいけないかもしれない。
 あれから4年目になる。選ばれて生を楽しんでいるが、幾分安堵感を戒めたいと思っている。1月からは消化器科に加え、内科へも通院となった。大病で失ったハードは大きく、これまで以上に健康に気を使わなければならない生活になってしまった。もう少し健康維持の努力をしなければと思う。
 今日のスペシャルデーを一つのけじめにしたいと思う。

元気出せいのちの芽吹く季節いま

タイヤ交換  春が来た

2007-04-02 | 日々の生活
            《咲き始めたジンチョウゲ》

 孫が飛び回り、ラックが見まもる庭で冬タイヤを交換した。身体をこわしてからは息子にやってもらっていたが、先週、近くにいた息子夫婦が転勤のため郡山へ引っ越してしまった。リハビリの運動も兼ねて何シーズンぶりかのタイヤ交換だ。締めたボルトがなかなか廻らない。すぐに息が上がり、休み休みの作業だった。腕力だけは自信があったが、つくづく体力の衰えを感じてしまった。
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いつものように孫と縁側で10時のお茶、薄日が射す庭はさわやかだが少し肌寒かった。暖かい春の陽が待ち遠しかった。でも、すっかり春の訪れ、注意して歩くと豊後ウメのつぼみが膨らみ、小田原小梅はほころび始めていた。八重のツバキも1輪咲いていた。スイセンのつぼみも黄色く色づき、明日は開きそうだ。ジンチョウゲも咲き始め1年ぶりに甘い香りを楽しんだ。

 一段落して庭いじり。冬の間楽しんだアザレアの鉢植えや、終わりかけたサクラソウを庭におろした。庭の植え込みの根元に避難させておいた植木鉢を出した。鉢を覆っていた落ち葉をよけると緑が鮮やかだった。夏から秋に挿し芽をしておいたサツキ類が芽を出し、十分根を張っていた。
 部屋の中で冬を越した鉢物も、暖かいとつい外へ出したくなるが、もう少し待つことにした。霜注意報が出ていて、明日は最低気温が氷点下の予報が出ている。この時期、ちょっとの不注意で枯らせてしまうことがあるのだ。
ラジオで福島市でソメイヨシノが咲き始めたという。観測史上3番目に速い記録で、昨年より10日も早いそうだ。ほどなくこの庭にもウメが咲き、桜が咲くほんとうの春の庭を想像した。これからの季節、庭いじりが楽しみだ。

  《八重のツバキ》                      《色づきはじめたスイセン》