■ この季節、この本が気になって手にしました。『日本の美意識』宮元健次/光文社新書。この本で指摘しているのは日本人の美意識は無常観に基づく「滅びの美学」に根差しているということです。
桜はあっけなく散るから美しい。日本人が桜を愛でるのはこの「滅びの美学」に拠ることはよく指摘されますよね。
平安末期の歌人、西行の旅を慕って芭蕉も旅に出て、草庵を結び、そして旅の途中で客死したこと、そして桂離宮の美を発見したあのブルーノ・タウトもまた旅先で死んだという指摘。三人に共通する人生。
日本人の美意識、その潮流から「クール・ジャパン」までの総論、速読。