■ やはり丹下さんは遠景の建築家、久しぶりにこの建築を眺めてそう思いました。村野さんは丹下さんとは対照的に近景の建築家と言っていいでしょう。丹下さんの建築はフォルム(建築の全体形状)が美しく村野さんの建築はディテールが魅力的、そう括っていいでしょう。
意匠と構造との融合、代々木の場合には吊構造が直接的にフォルムを決めています。棟のラインはカテナリー曲線、電線と同じ懸垂曲線。どことなく和風で例えば東大寺の大仏殿の棟のラインと重なって見えてきます。
今回久しぶりに中に入って見ました。
第2体育館ではミニバスケットボールの大会が行われていて、初めて中に入ることができました。内部空間はこちらの方が造形的、美しいと思います。
この頃の丹下さんの建築には詩情が漂っています。建築における詩情性、最近の建築からは消えてしまいました。