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■ 恵那で高速を下りてから、火の見櫓がないものかと、助手席から注意して見ていたが、見つからなかった。だから、この火の見櫓を目にしたときは嬉しかった。
大正路地を抜けると更に道路はまっすぐ続いていた。その正面にこの絵画館(元小学校とパンフレットにある)と火の見櫓が建っていた。 火の見櫓はパンフレットには「もちろん」載っていない。是非この火の見も載せて欲しいと思う。
2本の木柱の間に丸鋼を渡して、梯子状の火の見櫓にしている。片方の柱から腕木を持ち出して半鐘を吊るし、その上には切妻の小屋根がつくられている。半鐘を大切に思う地元の人たちのこころの表れだ。木柱のてっぺんは腐朽保護のために鋼板で包まれている。
半鐘を右手で叩くとすれば、こちらを向いて上ることになる。火の見櫓巡りはまだまだ続く・・・。
路上観察 板壁 101030
■ 大正路地と呼ばれる細い通りに面した板壁。通りの左右でその構法が違っていた。
上の壁は目板張り。縦に張った板の継目に細幅の「目板」を留めている。目板は板の継目から雨が浸入するのを防ぐために付けている。
下の壁は押縁下見板張り。この構法の場合は細幅の「押縁」は横に張った板のあばれを防ぎ、板を固定するために付けている。
ほぼ同じサイズの細い部材だが、上の目板は雨仕舞のため(板の反りも防ぐが)、下の押縁は固定のためで、役目が違う。共にこの細い部材を付けない構法もあるが、耐久性を考えればやはり付けた方が好ましいと思う。
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1 中央道を恵那インターで下りて日本大正村に向かう途中で見かけた茅葺き(樹皮との混ぜ葺き)の長屋門(恵那市内)。全体のバランスが良く美しい。
屋根棟の雨仕舞。
棟を樹皮で覆い、竹で押さえ(一番上の1本だけ少し長い)、その上に5か所、千木を載せている。千木の上には丸太の小棟。小棟の端部はこのように少し反っているのが一般的。
久しぶりに状態の良い茅葺き屋根を見た。