透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「日も月も」川端康成

2010-11-21 | A 読書日記



 『山の音』、『千羽鶴』、『みずうみ』に続き『日も月も』を再読中。1974年の8月に読んだというメモがある。36年前の夏はこの小説を読んでいたのか・・・、と変色した頁を繰りながら思う。

**別府の裏の城島高原から見る由布岳もきれいでしたが、豊後中村駅から飯田高原にのぼる道で、九酔渓の紅葉が見られました。十三曲りをあがりきって振りかえると、逆光線が山裏や山ひだの色を沈めて、紅葉の美しさが深まっていました。山の肩からさす西日が紅葉の世界を荘厳にしていました。**(「千羽鶴」 波千鳥 新潮文庫222頁)

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「桔梗もうつむいて咲くかしら。」
「はあ?」
「桔梗の花より小さいと思うが、どうだ。」
「小さいと思いますわ。」
「はじめ黒いように見えるが、黒でないし、濃い紫のようで紫でないし、濃い臙脂(えんじ)もはいっているようだな。明日、昼間、よく見てみよう。」
「日なたですと、赤みがかった紫色に透き通ります。」
**(「山の音」旺文社文庫190頁)

川端康成は自然に美を見出し、それを小説の中に効果的に織り込み続けた作家だった、と改めて思う。

 


休日の朝

2010-11-21 | A あれこれ

秋のフォトアルバム 101121

 自然豊かな鄙里に暮らしていながら、野草や野鳥に疎い。

この頃、鳥が柿の実をついばんでいる。今朝、自宅の窓から写真を撮った。頻繁に動く鳥は枝に隠れてしまったり、後ろ向きになったりするから写真を撮るのは難しいことがわかった。

三脚を使って性能のよい望遠レンズでじっくりねらわないと鳥の鮮明な写真は撮れない。コンパクトカメラで撮れるのはせいぜいこんな写真だと、腕のことをを棚に挙げて書く。

さて、この鳥の名前は? ネットで調べてみた。ヒヨドリではないかと思うがどうだろう・・・。

野草や野鳥がきちんと同定できれば楽しいだろうな。


117 火の見櫓のある風景

2010-11-21 | A 火の見櫓っておもしろい


117

 松本市の南西に位置する神林からは、前常念岳と常念岳を結ぶ稜線が見える。市内から見える常念岳とは姿が違う。この地区の火の見櫓は常念岳を背にして立っている。すっかり葉を落としているのは桜の樹。来春、花の咲くころもう一度ここに来よう・・・。

「常念岳と火の見櫓」を収めることができるスポットは、案外少ないかもしれない。でも捜せばまだ見つかるだろう。