■ 前稿で取り上げた火の見櫓の脇にある道祖神、祝言跪座像(松本市島立)。毎年地元の子どもたちが彩色しているとのことだ。裏面に弘化2年の作で、帯代二十両だと彫り込まれている。
昔は「嫁入り」という道祖神ぬすみの風習があって、夜中に道祖神を近隣の村人がぬすんでいくことがあったという。帯代というのは、まあ結納金のようなもの。「嫁入り」させるなら、二十両の結納金をいただきます、という意味だと解してよいだろう。ここに祀られていた天保8年の道祖神は同じ島立の南栗という地区に「嫁入り」していることを脇の説明板で知った。